イケクミ転倒!ハードル置き間違い/陸上

- 池田久美子はレース後、第7ハードルの位置の間違いについて審判に訴える
<陸上:織田記念国際陸上(北京五輪代表選考会)>◇29日◇広島ビッグアーチ◇女子100メートル障害ほか
伝統の「織田記念」で、前代未聞のハプニングが起きた。女子100メートル障害予選で、13秒00の日本記録突破を狙った池田久美子(27=スズキ)が、8台目のハードルに左足を引っかけて転倒。運営ミスで7台目の位置がゴール側に48センチずれていたことが判明した。特別措置で行われた決勝は、ケガの影響で記録更新はならなかったが、13秒36で優勝した。アクシデントにめげず、たくましく走りきった。
日本新を狙える勢いでトップを走っていた池田が、突然転んだ。8台目のハードルに左足をぶつけ、そのまま左ヒザをトラックに打ち付けた。まさかのリタイアは、自分のミスが原因ではない。レース後に「インターバルがおかしいと思った人?」と、同走した選手たちに同意を求めると、パラパラと手が上がった。
係員が確認すると、7台目の位置が48センチずれ、8台目との間隔が狭くなっていた。広島ビッグアーチは、風向きによって反対側からスタートする「逆走」が可能。誤って置かれたハードルは、逆走用の6台目の位置だった。審判員は選手を集めて謝罪、予選は無効として、2組による決勝は時間をずらして行った。
池田は、ひざ周辺にめり込んだトラックのかけらを取り除く治療を受け、約2時間半後の決勝に出場した。テーピングを施して走り、13秒36で優勝。狙った12秒台に届かなかったが、恨み節は言わなかった。「調子がいい時って、こんなもんですよ。こういう時に、どう対処するか。勉強になりました」。
自己ベストと日本記録の差は0秒02。調子が良く、予選から日本新を狙ったレースだった。川本コーチは「残念ですけど、またいい日が来ます。今日のことは絶対に無駄じゃない。(池田は)他人のせいにしなかった。大事を取ってやめようかと思ったけど『走らせてください』と言ってきた。ピュアな本心が分かってよかった」と話した。
五輪出場を狙う本職の走り幅跳びで、5月3日の静岡国際に出場する。昨季は記録を意識しすぎて、結果に出なかった。川本コーチによると、この日のハプニングが、好影響に転ずる可能性があるという。「何があっても動じないようにしてやっていきたい」と池田。高校1年の時、転倒したレース後、トイレで泣いた。強くなった今、涙は見せずに次戦に目を向けた。【佐々木一郎】
[2008年4月30日9時55分 紙面から]
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