末続「Qちゃん方式」練習メニュー変える

- 地元熊本での壮行会に出席した陸上男子短距離の末続(撮影・佐々木一郎)
陸上男子短距離の末続慎吾(28=ミズノ)が「Qちゃん方式」で北京五輪に挑戦する。8日、地元・熊本市での壮行会に出席。日本選手権は200メートル3位に終わり、現状を「最悪」と告白し、残り1カ月は計画通りに練習を消化する従来のやり方から、その日の体調次第で練習メニューを変えるように方針転換。シドニー五輪女子マラソンで高橋尚子が金メダルを取った時の小出監督方式に似た調整法で、3度目の五輪に乗り込んでいく。
晴れ晴れとした表情で、末続は壇上に立ち、あいさつした。「今は調子が上がらず、日本選手権でも負けてしまいました。でも、勝ち続けている時より、今が一番幸せを感じています。こうして、応援してくれる人がたくさんいて、支えられていますから」。日本選手権で、シドニー五輪以来、8年ぶりに日本人に負けた。しかし、すでに前を向いていた。
自分なりの考えがある。「状況はシーズン初めから考えると最悪。その中でも、絶対にやってやるぞという気持ちがある。型にはまらない調整をしたいです」。型にはまらない調整とは何か? 「自分の体と対話します。目安はあるけど、計画に縛られない。グラウンドに立った時、自分の状態と相談しようと思います」と説明した。
これまで、やろうと決めた練習メニューは意地でもこなしてきた。それが時に練習過多になり、疲労した。「今までのパターンがうまくいかない。なぜか失敗する」というのが、考えを柔軟にした理由。根本的に練習法を変えるのではなく、その日の体調、天候、気分に合った練習を、引き出していくことになる。
末続にとって、この型破り練習法は、初めてという。これは、高橋尚子を指導した小出監督が、得意とする調整法でもある。選手の顔色、肌のつや、声色などを総合的に判断し、その場その場でメニューを変えてしまう。人間が生き物なら、練習内容も生き物という考え方だ。
気持ちの面では、すでにリフレッシュできた。5日に熊本に戻り、自宅近くの温泉に1日3度つかった。7日からは高校生と一緒に走り始めた。ジャマイカ、米国勢の話題を振られると「もちろん勝負します。まず自分に勝って、相手を見る。グラウンドに立つと勝負したくなる」。五輪の200メートル1次予選まであと40日。完全復活への道筋は、その日ごとに探していく。【佐々木一郎】
[2008年7月9日8時48分 紙面から]
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