大崎欠場、股関節痛めマラソン無念の決断

- 大崎のマラソン欠場発表を行った高野監督(中央)ら(撮影・蔦林史峰)
日本マラソン界を再び悲劇が襲った。男子マラソン代表の大崎悟史(32=NTT西日本)が、左の股(こ)関節を痛めて24日のレースを欠場することが23日、日本オリンピック委員会(JOC)から発表された。チームドクターから「左大腿筋腱炎(だいたいきんけんえん)、縫工筋(ほうこうきん)腱炎」と診断された。21日の北京入り前から違和感を訴え、治療を施してきたが効果が見られず、この日午後に欠場を決断した。レースには尾方剛(35)佐藤敦之(30)の2人で挑むことになった。
スタートのわずか12時間半前だった。男子400メートルリレーの表彰式を30分後に控えた午後7時。「鳥の巣」で開かれた緊急会見で、大崎の欠場が発表された。女子の野口欠場に続くアクシデントに、日本陸連の沢木専務理事は「女子に続き男子についてもご迷惑をおかけしまして、おわび申し上げます」と謝罪した。
向井チームドクターの説明によると、大崎は21日の北京への出発前から股関節の違和感を訴え、20日に陸連へ症状を報告した。現地入り後に悪化して痛みが出始め、21日に続きこの日朝に消炎剤と局所麻酔剤を患部に注射した。だが改善は見られず、午後4時すぎに陸連へ欠場を伝えたという。
向井氏は「左大腿筋腱炎、縫工筋腱炎」と診断。「ジョギング程度はできるが、走ると痛みが出る。使いすぎ(が原因)の障害の1つ」と説明して、疲労蓄積を原因に挙げた。
左の股関節痛には、以前にも悩まされてきた。6位に入賞した昨夏の世界選手権、3位で五輪代表を決めた3月のびわ湖毎日マラソンでも、レース前に同じ個所を痛めており、満足な調整ができなかった。
今回は北海道合宿などで故障なく調整を進めてきたが、最後の最後に落とし穴があった。22日には会見で「最後まで粘るのが僕の持ち味」と意気込みを語っていた。ギリギリまで出場の可能性を探ったが、思いはかなわなかった。この日の会見には所属の清水監督も姿を見せなかった。関係者によると、まだ欠場を決めて間もないため、大崎に付き添っていたという。
24日のレースには、残された尾方と佐藤の2人が出場する。暗い話題が続いた陸上に、ようやくリレーのメダル獲得という明るいニュースが届いた直後のアクシデント。高野監督は沈痛な表情で「出る選手にはベストパフォーマンスを出してほしい」と祈るように話した。
[2008年8月24日7時14分 紙面から]
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