スエマエ女王撃破で4強進出/バドミントン

- ポイントを挙げてガッツポーズの末綱(右)前田組(共同)
<北京五輪:バドミントン>◇11日◇女子ダブルス準々決勝
オグシオならぬ「スエマエ」が大金星でメダルに王手だ。バドミントン女子ダブルス準々決勝で世界ランク8位の末綱聡子(27)前田美順(22=ともにNEC・SKY)組がアテネ五輪金メダルで同1位の楊維(29)張潔■(27=中国)組を2-1で撃破。五輪で日本バドミントン史上初のベスト4入りを果たし、13日の準決勝へ進出。同6位の小椋久美子(25)潮田玲子(24)組は準々決勝敗退。女子シングルスの広瀬栄理子(23)も3回戦で敗退した。
2人並んで土下座するようにコートへ突っ伏し、末綱と前田がうれし涙に暮れた。世界ランク1位、アテネ五輪金メダル、昨年の世界選手権金メダルの最強中国ペアを撃破してメダルに王手。相手の打ったシャトルがネットにかかって勝利が決まると、ともにその場にへたり込んだ。歓喜の表現まで息はぴったり。前田は「言葉にするのがもったいないぐらいにうれしい」。あとはただ、涙があるだけだった。
最終ゲーム、20-14のマッチポイント。大金星目前の状況で、2人の脳裏に苦い思い出がよみがえった。昨年1月のマレーシアオープン2回戦、同じ中国ペアから第1ゲームを奪って第2ゲームも20-10。あと1点で勝てる圧倒的有利の状況から、10度のマッチポイントを逃して大逆転負けを喫した悪夢の試合だ。
末綱は「最後の21点目を取るまで攻めなきゃダメだと気付かされた」と振り返る。逆に最後まであきらめないことの大切さも痛感。ともに短気で、ミスが続くと口もきかない「冷戦状態」になっていた2人が、我慢を覚えた。
この日は序盤で守備に課題のある前田が狙われ、試合開始から6連続失点。第1ゲームを8-21の大差で落として嫌なムードが漂った。だが、前田が「ごめん」と謝り、末綱は「いいよいいよ」。粘り強く戦い、相手のミスを誘った。最後も「あの時のことがあるから油断はできない」と集中力を切らさず、マッチポイントを1度でモノにした。
ペアを結成した04年から、ずっとオグシオの陰に隠れてきた。比較されても「気にしない」と口をそろえる。だが一方で「スエマエ」の呼び名に「愛称が定着すると本名は案外、覚えてもらえない。私たちはフルネームで覚えてほしい。末綱聡子、前田美順と呼んでください」と“反発”する対抗心を見せたこともある。
メダルまであと1勝。末綱は「ここまで来たら表彰台を狙いたい」。人気より実力でブレークしてみせる。【太田尚樹】
※■は雨の下に文
[2008年8月12日9時14分 紙面から]
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