新井北京へ!星野監督直電に「行けます」

- 北京五輪の日本代表に選ばれ、決意を語った新井
北京五輪野球の日本代表編成委員会が17日、東京都内で開かれ、阪神新井貴浩内野手(31)ら代表24選手が発表された。星野仙一監督(61)は腰痛に苦しむ新井に前夜、直接電話したことを明かし、新井は「必ず間に合わせます」と答えたという。昨年12月のアジア予選に続き、4番で期待される主砲はこの日の会見では「何が何でもやってやる。金メダルを取りたい」と決意を表明した。
悲願の金メダル獲得には、阪神の主砲がどうしても必要だった。星野監督は前夜、携帯電話を手に取った。代表選考を左右する「直電」は巨人上原に続き、2度目。コールの後に聞こえてきたのは、新井の声だった。
星野監督 行けるか?
新井 はい、行けます。必ず間に合わせます。
このやりとりで十分だった。腰痛で2戦連続スタメン落ちした新井の取捨選択。答えを出すのに、迷いはなかった。この日の最終メンバー発表に、その名はしっかりあった。
国際大会の緊迫感はシーズンとは明らかに違う。その場で戦った者にしか分からないだけに、経験は何よりも重要だ。昨年12月のアジア予選(台湾)で、新井は4番の重圧にはねかえし、チームを引っ張った。だから星野ジャパンの4番は1人しかいない。会見で指揮官は台湾での激闘の裏話も明かした。「新井の体調は予選も心配していたんだ。でも若い時から知っている山本コーチが『やりよるぞ』と言った。それで抜てきしたら、見事に重責を果たした」。
この時期の腰痛はもちろん痛い。ただ困難を乗り越える精神力が新井にはある。前夜のホットラインはその最終確認だった。「おれは骨折してるんだぞ! まあ、新しいチームの緊張感、甲子園の独特の雰囲気が、腰に来たんだろ。スポーツ紙の1面にもしょっちゅう載せられているし。ちょっと休ませたら、あのクソまじめな新井が戻ってくるだろう」。そう言って笑う星野監督は8月1日からの再会を信じて疑わなかった。
闘将の思いは新井にも十分伝わっていた。この日も練習を回避し、治療に専念した。代表メンバー発表後に行われた会見では、気持ちをストレートに表現した。「こういう状態にもかかわらず、選んでいただいたからには、何が何でもやってやるという気持ちです」。チームに迷惑をかけているのも分かっているから、こう続けた。「自分に今、何ができるか。1日、1時間、1分でもムダにせずに、早く治るために全力を尽くしたい。必ず金メダルを取って、帰ってきます」。最終メンバー発表の直前にも、熱いドラマが展開された。星野と新井。日の丸を背負い、思いはひとつだ。【田口真一郎】
[2008年7月18日11時45分 紙面から]
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