新井、北島金に刺激「盛り上がってきた」

- キューバ戦を控えた練習でティー打撃する新井貴浩
星野ジャパンに戦闘モードのスイッチが入った。北京五輪日本代表は11日、会場の五■松球場の隣にあるサブグラウンドで公式練習を行った。明日13日の1次リーグ初戦、キューバ戦に向け、星野監督は「キューバだろうがどこだろうが関係ない。やるっきゃない」と闘志を露わにした。指揮官が頼りにする4番新井貴浩内野手(31)もフリー打撃で快音を連発。「気持ちが盛り上がってきた」と調子は急上昇。腰痛の苦しみを乗り越え、大活躍したアジア予選の再現に期待が高まる。
それはまるで「火事場」にいる男の顔だった。あす13日から始まる決戦を前に、新井は集中し切っていた。北京入り後初の公式練習。メーン会場の五■松球場に隣接するサブグラウンドで2時間の練習を行った。日本の主砲はフリー打撃で快音を連発。「日が迫ってきているので、だんだんと気持ちが盛り上がってきた」。腰痛の不安を完全に断ち切った。
新井の精神力は土壇場で力を発揮する。昨年のアジア予選も背中を痛めながら、戦う姿勢を全面に押しだし、チームを引っ張った。「あのときとは、相手も試合の数も違う。早くやりたい気持ちはあるが、複雑ですね。余裕はないから」。言葉は控えめだが、プレーボールのコールを聞けば、試合に没頭できる。だから首脳陣は4番を任せる。
発奮材料もあった。この日の練習前に、宿舎でテレビにくぎ付けになった。競泳の北島が2大会連続の金メダルを獲得。しかも世界記録を塗り替えた。「日本選手の活躍を見ています。刺激になった」。ここ一番で能力を出し尽くすことができる。トップアスリートにしか分からない世界。新井はやはり奮い立った。
故障しても新井の招集にこだわった星野監督も戦闘モードのスイッチが入った。東京の合宿から、ようやく北京の土を踏んだ。表情が変わらないはずがない。キューバ戦の先発が予定されるダルビッシュの投球練習を見守るなど、グラウンドに鋭い視線を送った。
「これで突入するわけだから。キューバだろうが、どこだろうが関係ない。やるっきゃない。知らんで、ワシは」。昨年1月の監督就任から、いよいよ集大成のときが来る。泣いても笑っても、金メダルまで9試合。星野&新井の血がたぎった。【田口真一郎】
※■は木へんに果
[2008年8月12日11時42分 紙面から]
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