稲葉弾が星野ジャパン救った/野球

- 5回表日本無死、本塁打を放つ稲葉(撮影・黒川智章)
<北京五輪・野球:日本1-0カナダ>◇18日◇1次リーグ
稲葉篤紀(36)のひと振りが星野ジャパンの「命」を救った。先頭打者で迎えた5回表。カウント0-2から、先発ベッグの133キロ直球が甘いコースに来た。この日投げたカナダ投手陣の唯一といっていい失投だった。「とにかく甘い球が少なかったから、苦労した。あの球だけじゃないか。久しぶりに手応えのある打球だった」。北京の青い空に弧を描き、右中間のフェンスを越えていった。五輪初アーチが決勝点となった。
今季は右臀部(でんぶ)に慢性的な痛みを抱えたままプレーしている。一時は起き上がれないほど。今も万全ではないが、絶対にギブアップしない。「監督の顔を見ていたら、痛いとか言っていられない」。アジア予選を経験し、星野監督とのきずなは固くなった。予選後にもらった手紙は愛知の実家へ送った。代表に選ばれてから、届いたものは札幌の自宅で額に入れて飾っている。2通の手紙が心をつなぐ。5番で起用する指揮官の期待に応えたかった。
韓国戦で2敗目を喫した翌日、選手村を散策した。「楽しかった。6人部屋も見たし、久しぶりにマクドナルドも食べた」。ささやかなことでも、36歳のベテランにとってリフレッシュの材料になった。五輪はそれほど過酷な戦いでもある。【田口真一郎】
[2008年8月19日9時11分 紙面から]
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