岡崎期待応えたスーパーサブ弾/壮行試合

- 後半44分、ヘディングで決勝ゴールを決めるFW岡崎(後方)
<北京五輪男子壮行試合:日本2-1オーストラリア>◇24日◇兵庫・ホームズスタジアム神戸
FW岡崎慎司(22=清水)が値千金の「サムライヘッド」で劇的勝利を呼び込んだ。1-1の後半44分、MF谷口のクロスを頭で合わせて決勝ゴールをねじ込んだ。後半29分からの途中出場だったが、故郷の兵庫での凱旋(がいせん)試合で、見事に結果を出した。滝川二(兵庫)時代から宿す“侍魂”を見せつけ、五輪本番へ弾みをつけた。
相手の内懐にもぐり込み、侍のように一太刀で難敵をなぎ倒した。ドローの気配が流れる後半44分。岡崎が決めた。谷口の左からのクロスに、相手DFと競り合いながら体を投げ出した。倒れ込むように頭で合わせ、角度を変えた。ボールは右ポストに当たって転がり込んだ。放ったシュートはこの1本だけ。ワンチャンスを確実にものにした。
岡崎 (入るのか)どうやろ? みたいな感じやったけど、入ってよかった。ニアサイドで勝負しようと思っていた。勝ちで終われてよかった。みんなのゴールだと思う。
泥くさく体を張り続けた。後半29分に途中出場し、2分後の31分には自陣で激しいタックルを浴びせ、ボールを奪い取った。体格ではるかに上回る相手にも気後れするところはなかった。滝川二時代、映画「ラストサムライ」を見て感銘を受けた。強くて折れない精神力は、まさに侍魂。「チャレンジする気持ちは出せた」と胸を張った。
ひたむきに勝利を求める男に、慢心はない。滝川二時代の恩師、黒田和生氏(現神戸育成部長)に代表入りを報告した時のこと。いつもは「てんぐになるな」と忠告されるのが、今回は「おめでとう」としか言われなかった。「それが逆にいいプレッシャーになってます」。20日には静岡在住の女性と婚姻届を提出した。夫人は妊娠5カ月。第1子の誕生予定は来年の元日だ。「縁起がいいですね。初産だからずれるかもしれないけど」。私生活の安定も、好結果につながっている。
この日は先発落ちしたが、U-23代表初ゴールでチームに勢いをつけた。「これからは一丸で戦わないとやっていけない。自分のことで一喜一憂できない」。己の功名心を抑え、国のために戦うのも侍魂。この気迫と根性で、メダル獲得に貢献してみせる。【北村泰彦】
[2008年7月25日9時10分 紙面から]
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