山田が貴重追加弾/ソフトボール

- 4回表、ソロ本塁打を放った山田
<北京五輪・ソフトボール:日本3-1米国>◇21日◇決勝
“女イチロー”こと山田恵里主将(24=日立ソフトウェア)の本塁打が、勝利を大きく引き寄せた。1―0で迎えた4回無死から右中間に放った。この2年間、徹底してきた女王米国の左腕対策が奏功した。6月に左アキレスけんの再断裂で、代表入りを逃した内藤恵美遊撃手の思いも乗せた一発で、悲願の金メダルへとけん引した。
思いを乗せた放物線は、右中間最深部に突き刺さった。右手を大きく突き上げたまま、山田はダイヤモンドを1周した。ベンチに戻ると、チームメートもみくちゃにされた。最後はスタンド観戦した“チームメート”の内藤が陣取った、一塁側の観客席に向かって、もう1度ガッツポーズをつくった。
「ベンチ入りできなかった選手、けがをした内藤選手の分まで戦った」。ベンチには、内藤の背番号6のユニホームが掛けられていた。チームの要だった内藤の離脱は痛恨だった。だが一緒に戦っている思いを込めて、戦い抜いた。
狙い打ちだった。1回2死で回ってきた1打席目は見逃し三振だったが「どんなボールを投げてくるか見たかった」と、次の打席につなげるため“捨てた”。予想どおりの球筋だった。浮き上がるライズボールか沈むドロップに的を絞って臨んだ2打席目。相手の先発左腕オスターマンは、1球目にドロップを投げてきた。次はライズボール。そう確信して振り抜いた会心の一打だった。「打ったのはライズ。狙っていた。体が反応した。この五輪にすべてを出せた」。
2年前の屈辱があったこそ生まれた一発だった。06年の世界選手権決勝。日本はオスターマンの前にわずか1安打、14三振で完封負けを喫した。以来、球速に勝る男性左腕を打撃投手として招いて打ち込んだ。日本打線は先発9人中7人が左打者が並ぶだけに、米国左腕対策は必要不可欠。分析班も配球などを徹底的に調査した。
第3打席にも中前安打を放ち、打線を引っ張った。上野の調子に、チームの勝敗が託されていた4年前からの打線が成長を見せ、ついに連投の上野を援護した。「感謝と口で言うだけでなく、行動で示したかった。金メダルを取りたいという気持ちで打った」。24歳の主将は晴れやかに言った。【高田文太】
[2008年8月22日9時15分 紙面から]
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