北島が2位通過、連続世界新宣言/競泳

- 59秒52で予選を通過した北島(撮影・田崎高広)
<北京五輪:競泳>◇9日◇男子100メートル平泳ぎ予選
水泳ニッポンのエース北島康介(25=日本コカ・コーラ)が男子100メートル平泳ぎ予選を59秒52で2位通過、10日の準決勝に進出した。同じく13位通過の末永雄太(23)を除けば、この日の予選で競泳陣は全滅。柔道の谷ら日本選手団全体も精彩を欠く中、ハンセン(米国)が持つ59秒13の世界記録を準決勝、決勝で連続更新する目標をぶち上げた。史上初の1大会8冠に挑むマイケル・フェルプス(23=米国)は男子400メートル個人メドレー予選で世界歴代4位の4分7秒82を出し、1位通過した。
スタートダッシュにつまずいた日本勢の中で、北島だけは危機感とは無縁だった。前半50メートルこそ28秒34の3位だったが、ターン後は「世界一」とも評される、抵抗の少ない姿勢を維持して引き離した。水面に顔を出した時点で頭ひとつリード、同組の選手を置き去りにして59秒52でゴール。右手を上げて歓声に応えた。決勝を除くレースでは自己最高記録だったが、力みは皆無だ。「特に何も考えず、リラックスして泳げた。僕の中では勝負は明日(10日)から。準決勝で59秒0、決勝で58秒台を出したい」と世界新連発を予告した。
予想外の展開だった。自分が8組目、宿敵ハンセンは最終9組目で出場。アテネ五輪では、先に予選に臨んで、五輪新を出し、ハンセンに無言のプレッシャーをかける作戦が奏功し、2冠に輝いた。だが今回は逆に直前の7組目でダーレオーエンが五輪新をマーク。無名の新鋭に4年前の作戦をやり返された格好だが「予選なんで、変な気負いもなかった」と受け流した。むしろ動揺したのはハンセンか。直前の2組で好タイム続出の焦りから10位。結果的に最大のライバルの不調が浮き彫りになった。
貫禄(かんろく)の2位発進で、日本選手団全体を取り巻く、嫌な流れさえも変えるつもりだ。柔道の谷が負けたことを知ると、さすがに「そうなんですか」と驚いた。日増しに高まる金メダルへの期待も「うれしいことですね。そこで結果を出したい」と歓迎した。世界新連発宣言は、自分自身に重圧をかけることにもなるが、もちろん強がりではない。「今日もウオーミングアップから体がキレていた。高速プールだし、記録は出ると思う」。世界記録での金メダルとなれば、72年ミュンヘン大会の田口(男子100メートル平泳ぎ)青木(女子100メートルバタフライ)以来、全競技を通じて日本人36年ぶり。偉業達成で日本選手団全体を活気づける。【高田文太】
[2008年8月10日9時12分 紙面から]
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