「いい休養」のケースもある
2008年8月11日
状況を聞く限り、出場するか否かの判断は非常に難しいですね。前回金メダリストの野口さんは「出場すればいい」という選手ではない。一方で「次に期待」という年齢でもない。周囲にはレース2、3日前までに痛みが引けば、これまでの練習の貯金で勝負できるという思いもあるでしょう。確かにこういうブランクが「いい休養」となるケースもあります。
ここで重要になるのが本人の感覚です。周囲が「無理だ」と判断しても、走れる場合があります。逆に「行ける」とみえても、本人が怖さをぬぐえないこともあります。異常を抱えたまま無理をして走った場合、痛みが恥骨、座骨にまで及び、故障が長引くことも考えられる。そういう問題も含め、理屈抜きで本人しか分からない部分が、最終判断の材料になります。
こういう状況になった野口さんを誰も責めることはできません。五輪に出場するマラソン選手は、故障の危険もはらんだギリギリ、紙一重の練習を重ねているのです。彼女も勝つために過酷な練習を続け、故障する前までは好調だったはずです。あとは彼女自身の判断を待つしかありません。(91年世界陸上銀メダリスト、第一生命監督)




