尚子が帰国、名古屋でニュー心技体見せる

- 中国・昆明での合宿を終え帰国した高橋尚子(撮影・小沢裕)
シドニー五輪女子マラソン金メダルの高橋尚子(35=ファイテン)が、最後の五輪選考レースで新たな「心技体」を披露する。名古屋国際女子マラソン(3月9日)に向け、27日に合宿先の中国から帰国。初めて合宿を張った昆明で体が仕上がった。過去に何度もレース直前に故障したが、残る約10日間は万全の態勢でアクシデント回避に努める。レース本番ではシドニー切符をつかんだ8年前と違い、勝負を超越したメッセージを伝えたい気持ちも吐露。過去2戦2勝の名古屋で、「ニュー尚子」としての集大成を見せつける。
「まだ何もしていないのに、こんなに集まってもらってありがとうございます」。成田空港にズラリとそろった報道陣を前に、高橋は切り出した。まだ、レースは始まっていないが、準備は整いつつある。初めて訪れた中国・昆明で約2カ月、新しい自分をつくり上げてきた。
「(合宿地は)今までとまるで違うので、比べようがない。この成果がどう出るか、誰より知りたいのは自分。未知の世界ですね」。米コロラド州ボルダーよりも合宿する日本人選手が多く、毎日のように練習コースで擦れ違う。ギョーザも食べた。標高3200メートルの麗江にも出向いた。体はできた。
ここからが、最後の調整になる。レースまであと11日。チームQを結成してから2度のマラソンは、いずれも帰国してから故障した。その反省をふまえて「ここからが勝負。風邪やけがをとにかく気をつけていきたい。私にハプニングはつきものなので、心を大きく構えて、地に足を着けて歩きたいです」と言った。過去10回のマラソンで培った調整技術を駆使することになる。
気持ちの上でも、これまでの選考レースとは異なる。「思い出すのは、00年の名古屋。五輪に行きたい、その次は世界記録を狙いたい…。こうしたいという気持ちが強い大会だった。でも、途中から次に走るのは何のためなのかと考えるようになった。走り終わって、自分たちも頑張ろうと思ってもらえる、そういうメッセージを送れるのは優勝者しかいない。そう思えるのが、今までとは違うと思います」。
残る北京五輪切符は、事実上1枚。1月の大阪で好記録が生まれれば、さらにがけっぷちに追い込まれるはずが、チャンスは残った。「どちらにしても、優勝じゃないと選ばれないのは確実」と高橋。すべてをかけた、大一番になる。【佐々木一郎】
[2008年2月28日9時40分 紙面から]
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