福島200も狙う短距離2種目出場だ

- 五輪への決意をしたためた色紙を持つ福島
8日で北京五輪開幕があと1カ月後に迫った。陸上で日本女子56年ぶりの100メートル五輪代表に決まった福島千里(20=北海道ハイテクAC)が7日、女子史上初の短距離個人2種目出場を目標に掲げた。中村宏之監督(63)は、200メートルでも出場権獲得を目指し、20日の道央選手権(北海道・千歳市)で同種目に出場する計画を明かした。出場条件となる参加標準記録B(23秒20)突破へ、23秒33の日本記録更新を狙う。実現すれば女子で短距離個人2種目出場は史上初、トラック種目では人見絹枝以来80年ぶりの快挙になる。
何とも欲張りなシンデレラである。福島は「56年ぶりの快挙」だけでは満足できなかった。五輪100メートル決定から一夜明けた7日、地元の北海道・恵庭市での会見で中村監督が「あくまで体調を見てですが」と前置きした上で切り出した。「100メートルだけでなく、200メートルも出場させたい」。隣に座る福島が同調するように「えへへ」と笑った。
想定外の「仰天プラン」だった。過去の五輪で日本の女子が200メートルに出場できたのは64年東京五輪の伊沢まき子1人だけ。100、200メートルの短距離2種目に出場した例はない。トラック個人2種目に出場したのも、伝説のランナーといわれる人見絹枝1人だけ。そもそも最近の日本女子は短距離で五輪出場するレベルになかった。さらに体力が要求される2種目出場など想像もできなかった。
五輪出場するにはB標準(23秒20)突破が最低条件。福島の自己ベストは23秒60。日本記録でさえ23秒33だ。記録だけを並べると可能性はない。しかし、福島陣営は強気だった。5月の静岡国際では追い風参考ながら23秒13の驚異的なタイムを出した。風は2・7メートル。わずか0・7メートルオーバーしていただけ。十分な射程圏内とみている。中村監督は「20日の道央選手権でA標準(23秒00)を狙わせたい」とまで言った。
レースまでの約2週間は、コンディション調整を最優先する。6月の日本選手権後に食あたりを起こした。強行出場した6日の南部記念100メートルでは優勝したが、「完調だったら南部も(A標準11秒32を上回る)11秒29か30が出ていただろう」と中村監督は話す。「今の状態はベストの6割。きっちり食べるのが先。あと1カ月しかないので、頑張らないけないなーと、思います」。20歳の福島に、歴史に挑む重圧はなかった。【本郷昌幸】
[2008年7月8日8時51分 紙面から]
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