「移住組」3人が米代表切符/陸上
<陸上:全米選手権兼北京五輪代表選考会>◇最終日◇6日(日本時間7日)◇米オレゴン州ユージン
男子1500メートル決勝で、米国以外の出身選手が五輪出場枠の上位3位までを占める珍事が起きた。ケニアから国籍を変更したバーナード・ラガト(33)が3分40秒37で優勝し、5000メートルとの2冠を達成。メキシコ生まれのマンサーノ、スーダンから移住したロモングが続き、米国生まれの選手たちから主役の座を奪った。女子200メートルはフェリックスが21秒82で制した。
最後の直線はまるで短距離走のようだった。米国外で生を受けた3人が、全米の舞台でデッドヒートを繰り広げた。わずかに抜け出したラガトを追うように、マンサーノとロモングがほぼ並んでゴール。前年度の優勝者ウェブを五輪圏外の5位に退けた。
ラガトは04年アテネ五輪のこの種目で銀メダルを取りながら、よりよい練習環境を求め母国を捨てた。「ここは夢がかなう場所。欧州にも、母国にもなかった。僕ら3人はアメリカン・ドリームを地で行っているんだ」。お立ち台の中央で初めて、決断の正しさを実感。
2位に食い込んだマンサーノは隣国メキシコ出身。4歳で家族と米国へ移住した。3位に入ったロモングはスーダンでの難民生活を経て、命からがら米国に渡った。「ここまで本当に長かった。命の危険にさらされる中で走り続けた。こんな中で走れるなんて本当に楽しい」。それぞれの人生の縮図を胸に、新たな故郷に錦を飾るため、3人は北京を走る。
[2008年7月8日8時35分 紙面から]
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