為末「棚からぼたもちが…」メダルあるぞ

- 「KING of Barber shop」と書かれたシャツを着た為末
北京五輪陸上男子400メートル障害代表の為末大(30=APF)が、「タナボタ」のメダル獲得に色気をみせた。24日、成田空港から欧州遠征に出発した。今季は故障で出遅れ、世界ランク24位だが、本番で力を出し切れない性格の選手が上位にいることを指摘。実力のベースを上げておけば、棚からぼたもちが落ちてくるという独自の理論を展開した。
希望的観測かもしれないが、大風呂敷を広げたわけではない。為末は「僕らの仕事は政治家とは違いますから」と「公約」ではないと前置きして言った。「今年は、棚からぼたもちが落ちてきそう。そういう時も、順番待ちはあるから、1番前に並んでおかないといけません。1発、引っかけてやりたい」。
なぜ、タナボタがありそうなのか、理由がある。今季の世界ランクを頭に入れた上で「本番で外すだろうという性格の人が、上位にいる。4~8番にいる人が、本来なら争うはず。経験則だけど(五輪では)結構荒れそう」。株式投資で30万円を2000万円に増やした経験者らしく、将来を予測した。
五輪は記録でなく、勝負の場だ。400メートル障害は戦略性に富む種目ゆえに、レース前の数字で計れない。今季、故障で出遅れた為末は、予選落ちも覚悟した日本選手権で優勝を飾った。00年シドニー五輪から6度の世界大会に出場し、決勝に2回進出、いずれもメダルを奪取した。勝負強いからこそ波乱は歓迎だ。
今季ベストは49秒17。世界24位で、五輪出場者に限っても16位までしか上がらない。「何せ、決勝に残っていないと権利はないので」と話すように、地力アップとコンディション調整が条件になる。欧州では26日のロンドンGPと29日のモナコ国際に出場予定で「ここまでのレースは前半が例年より0秒2、3ほど遅い」という点を改善する。
アキレスけんの状態は気がかりで、レース後の痛みの再発は想定済み。五輪まで、スパイクを履くのは試合を含めてあと4回。「もう、かけです。練習不足と好調のスレスレを狙っていく」。遠征には、田中角栄元首相を描いた「異形の将軍」という本を持参した。「ピンチに強い男が好き」という為末は、最高の物語を頭に描き始めている。【佐々木一郎】
[2008年7月25日9時33分 紙面から]
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