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野口肉離れでまだ痛み…でも「出たい」

足の筋肉の図を示しながら、野口の故障部分を説明する藤田信之監督(右)
足の筋肉の図を示しながら、野口の故障部分を説明する藤田信之監督(右)

 北京五輪女子マラソン代表の野口みずき(30=シスメックス)は左足肉離れだった。日本陸連の沢木啓祐専務理事(64)と藤田信之監督(67)らが10日、京都市内で会見を行い、7月のスイス合宿で左足の大腿(だいたい)二頭筋と半腱様筋(はんけんようきん)の肉離れを起こしていたと明かした。快方に向かっているが、まだ痛みが残る状態で、出場の可否を2、3日中に判断する。すでにジョギングを開始している野口は「あきらめずに出たい」と出場に意欲を見せているが、強行出場しても女子マラソン史上初の五輪2連覇は、極めて難しい状況となった。

 五輪2連覇への道は、限りなく険しくなった。沢木専務理事と藤田監督が野口の現状を報告。左足の付け根部分の2カ所に、肉離れを発症していることを明かした。藤田監督は「回復に向かっていて、軽いジョギングはできるようになった。努力をして、何とか出場させたい」と説明したが、17日のレースまで残り1週間。表情は厳しかった。

 異変が起きたのは7月25日。スイス・サンモリッツで高地合宿中だった。午後のロングジョギング中に野口が左臀部(でんぶ)の下に痛みを訴えた。急きょ練習をウオーキングに切り替え、鎮静剤の服用、痛み止めの注射などを施したが痛みは収まらず、予定を3日早めて今月4日に緊急帰国。MRI(磁気共鳴画像装置)検査の結果、左足の肉離れが判明した。「この部分(の故障)は初めて。(野口は)今でも痛いと言っている」(藤田監督)。前日9日の2度目の検査でも、まだ炎症は残っていた。

 野口は現在、京都府内で軽いジョギング練習を行っている。点滴を打ちながら、超音波や低周波治療などを懸命に続けている。藤田監督は「ジョグの時間はのびている」としたが、1キロ5分ほどのスローペースという。42・195キロを2時間30分以内で走るには1キロ3分強のペースが要求されるため、万全にはほど遠い状況だ。広瀬コーチは「試しに少し走ったら痛みが出た」と話した。

 北京の出場可否は2、3日中に判断する。その材料について沢木専務理事は「最終的に野口本人と藤田監督と広瀬コーチによる感覚的なもの」とした。藤田監督は「痛みが消滅し、かつレースに出られる動きができるかが基準」と語り、“最終テスト”となるポイント走を行って結論を下すつもり。13日の出発をずらす考えもあるという。

 藤田監督はこの日の朝、野口と1時間話し合った。本人は望みを捨てず「走りたい。最後まであきらめない」と話しているという。ただ広瀬コーチは「100%ベストな状態で出るのは難しい。足の痛みが大丈夫でも、心肺機能がどうかというのもある。メダル(が取れるか)は分からない」。レース直前で降りかかったアクシデントに表情を曇らせた。【大池和幸】

 [2008年8月11日9時11分 紙面から]


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