36歳朝原夢のファイナル届かず/陸上

- 聖火の下で走る朝原宣治(共同)
<北京五輪:陸上>◇15日◇男子100メートル2次予選
男子100メートル2次予選では朝原宣治(36=大阪ガス)が10秒37の3組8着で敗退。今季限りの引退を決めており、個人種目での五輪ファイナリストの夢は終わった。
悔いはない。涙もない。朝原は2次予選後に言った。「悔いが残らないように、すべて準備をしたし、試してきた。悔いはないです。結果が出なかったのは残念ですが…」。96年アトランタ大会に初出場して以来、4大会連続の五輪。この日、個人種目での挑戦が終わった。
1次予選は4組4着だったが、10秒25のタイムで救われた。2次予選は、中盤でばたついた。3組の8人中、最後でゴールを通過した。世界選手権を含め、過去5回も準決勝にコマを進めた実力者が、力尽きた。夢のファイナリストの座は、夢のまま終わった。
朝原 残念だけど、今の実力からいって、これが100%。すべてが整って、完ぺきで準決勝で4~5番になれる。でも、そんなのは本番でありえない。悔しいけど、これが現実と思っています。
昨年10月16日、現役続行を発表した。記者会見の前に、電話とメールで、世界選手権を戦ったリレーのメンバーに、その旨を伝えた。みんな、喜んでくれた。今季が最後-。35歳になっても世界で戦える秘訣(ひけつ)を知りたがる後輩たちから、経験談を聞かれ、話した。
この日、準決勝に進んだ塚原は、朝原と初対戦した04年の日本選手権を鮮明に覚えている。「一緒に走った時の衝撃はすごかった。朝原さんは10秒09で、ものすごい前にいて…。あこがれと同時に『いつかはそこに行ってやる』という気持ちにもなったんです」。
朝原はレース前、塚原の準決勝進出を知った。「これから彼は何回も、世界に出る。これをきっかけに、ファイナルに出られる選手だと思う。ぼくはもう、世界に出ることはないと思うんで…」。2人の明暗は、世代交代を浮き彫りにさせた。ただし、感慨に浸るのはまだ早い。朝原にとって、メダルを狙える400メートルリレーこそ、完全燃焼すべきレースになる。【佐々木一郎】
[2008年8月16日8時16分 紙面から]
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