30歳為末予選落ちで引退へ/陸上

- レース後、トラックに座り込んで天を仰ぐ為末大(撮影・蔦林史峰)
<北京五輪:陸上>◇15日◇男子400メートル障害予選
男子400メートル障害予選で為末大(30=APF)が、49秒82の4組4着に終わり予選落ちした。スタートから先頭を走ったが、残り100メートルから失速。3度目の五輪もメダルには届かず、レース後に引退を示唆した。
足に力が入らなかった。いつものように序盤から飛ばした為末は、9台目のハードルまでトップを走っていた。そこから失速した。10台目で2番手に落ちた。ゴールまでが遠い。3着までに入れば自動的に準決勝進出が決まるが、さらに2人に抜かれ、予選4組4着。タイムも49秒82と振るわず、すべては終わった。「現段階の100%は出しました。これくらいの力しかない」。予選落ちだった。
トラックを振り返り、深々と一礼した。北京五輪を、競技人生の集大成と考えていた。メダルを取って、燃え尽きるはずだった。これが引退レースになってしまうのか? 「今から帰って、考えたい。来る前はそう思っていたけど、予選で終わると思わなかったんで…」。結論は出ていない。「あとは自分が何をやりたいのか、考えないといけない。今までは五輪のスタートラインに無事に立つことしか考えていなかったので」とも話した。
ケガに苦しんだシーズンだった。春先に左ふくらはぎを痛め、両足の故障が続いた。5月に人生初の痛み止めの注射を打った。「3月のケガがすべてだったと思う」と敗因を振り返った。2度の世界選手権で、銅メダルを獲得した。01年は、日本勢にとって短距離種目初のメダルだった。05年は雨中の決戦となり、巧みな戦略で勝ちきった。しかし、ケガには勝てなかった。
「終わってから言おうと思っていたのですが、自分の人生にかかわってくれたいろんな人に影響を受けたし、感謝したいと思う。早熟型で、高校で終わってもおかしくなかった。支えてくれた両親に感謝しています」。170センチと小柄ながら、工夫と努力で世界と戦ってきた「侍ハードラー」。しばしの休息の後、結論を出す。【佐々木一郎】
[2008年8月16日8時16分 紙面から]
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