劉翔棄権!中国13億人ショック/陸上

- スタート前、痛そうにアキレスけんを触る劉翔(撮影・田崎高広)
<北京五輪:陸上>◇18日◇男子110メートル障害1次予選
アテネ五輪陸上男子110メートル障害金メダルの劉翔(25=中国)が、故障で棄権した。大会直前に古傷の右アキレスけんに痛みが発生。1次予選のスタートラインに立ったが、フライングでやり直しになると、限界を感じて自らトラックを去った。「大会の顔」とも言える大スターのリタイアで、9万人の観衆で埋まった国家体育場(愛称・鳥の巣)は騒然。中国国民13億人がショックを受けた。
脚のナンバーカードをはがすと、そのままトラックを去った。前日には自身のウェブサイトでケガの苦しみを明かすほど、ひどい症状だった。事態を理解できない場内は騒然となり、怒号が飛び交った。取材エリアで、泣きだす中国人の女性記者もいた。
緊急会見を行った孫海平コーチは「6~7年前の古傷だ」と涙ながらに説明した。選手村に入った16日に激痛が発生。MRI(磁気共鳴画像装置)検査を受け、アキレスけんの故障が判明した。5月末、米国遠征中には右太ももを痛め、2年前にマークした12秒88の世界記録も6月12日にロブレス(キューバ)に0秒01破られた。中国陸上代表の馮樹勇副監督は「劉翔は、ほかの誰もが耐えられないプレッシャーと闘ってきた」と気遣った。
劉翔のための大会だった。1次予選から決勝まで、通常は2日間で消化される4レースは4日間に分散。集客と高視聴率が期待された。アジア初の陸上短距離金メダリストは、中国の誇りだった。馮副監督は「中国国民の皆さんが、この状況を理解し、彼がトラックに戻って来られるよう勇気づけてやってください」と申し出た。
[2008年8月19日9時5分 紙面から]
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