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イシンバエワ世界新5m05で連覇/陸上

世界新となる5メートル05を跳んだイシンバエワは笑顔のままマットへ
世界新となる5メートル05を跳んだイシンバエワは笑顔のままマットへ

<北京五輪:陸上>◇18日◇女子棒高跳び決勝

 女子棒高跳びの女王エレーナ・イシンバエワ(26=ロシア)が、5メートル05の世界新で連覇を達成した。4メートル85で金メダルを確定させた後、4メートル95の五輪新を成功。さらに、自己の世界記録を1センチ上回る高さにバーを上げ、3回目にクリアした。これで世界記録更新は、室内を含めて24回目。目標とする男子の世界記録保持者ブブカ氏の35回超えへ、また1歩近づいた。

 棒高跳びのバーに向かうと、その先で聖火が夜空を焦がしている。イシンバエワは跳んだ。聖火に向かって跳んだ。5メートル05の3回目。体はバーに触れず、マットに落ちながら世界新を実感した。午後10時21分。全競技が終わった国家体育場で、フィナーレを飾った。

 マットの上で、前方宙返りして喜んだ。大好きなイルカのワンポイントが入ったスパイクに、黒いマニキュア。美と強さを備えた女王は、主役の座を譲らなかった。「このお客さんのおかげで、記録が出せた。限界? ないわ。あるとすれば、空だけね」。詩的な表現で、喜びを表した。

 2回の跳躍で、金メダルを確定させた。今季、急成長したスタチンスキ(米国)が4メートル80に終わり、勝負あり。あとは記録だけ。4メートル95を3回目でクリアし、五輪新記録。試技の前、芝の上で白い布団を頭からかぶり、集中を保った。世界新の前には、観衆から手拍子が自然発生するなど、舞台はすべてが整っていた。

 もともと体操選手で、3歳から英才教育を受けた。身長が伸びすぎて、15歳で棒高跳びに転向。体操で培った空中感覚が、この種目で生きた。だが、強さを支えているのは、強烈な自尊心だ。

 世界歴代2位の4メートル92まで伸ばしたスタチンスキと比較されることを、極度に嫌う。「彼女が4メートル90を跳んで驚かれても、それは私が4年前にクリアしている高さ。今の私には何ともない。だから、なぜ騒がれるのか分からない」。そもそも「ライバル」という扱いをされることすら「イライラする」という。

 その言葉通り、この日の試合で、格の違いを見せつけた。24回目の世界新。スタンドには、35回を誇る鳥人ブブカ氏がいた。イシンバエワは「あと12回ね。記録更新なしの生活なんて、退屈なだけ。だから、ずっと挑戦します」と宣言した。【佐々木一郎】

 [2008年8月19日9時5分 紙面から]


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