強豪国敗退で日本メダル大チャンス/陸上

- 決勝進出を決め笑顔を見せる、左から朝原、高平、塚原、末続
<北京五輪:陸上>◇21日◇男子400メートルリレー予選
日本リレー悲願のメダル獲得へ、神風が吹いた。陸上男子400メートルリレーの予選が行われ、日本(塚原、末続、高平、朝原)は38秒52の1組2着で決勝へ進出した。日本より実力上位の米国、ナイジェリア、英国が、雨の影響からかバトンミスや反則で相次いで敗退。まさかの展開で、日本のタイムは全体3番目。22日の決勝で、メダルに挑戦する。
ありえないことが起きた。予選1組の3走からアンカーへのバトンパス。米国とナイジェリアが、バトンを落とした。南アフリカもミスし、ゴールへたどり着けなかった。予選2組では、英国がレーンからはみでる反則で失格。フランスも、もたついた。00年シドニー五輪以降の世界大会で、メダル獲得経験のある5カ国が、姿を消した。
日本はしっかり、走り抜いた。1走の塚原が、好発進。2走の末続は、意地で走った。200メートル1次予選で敗れた悔しさは、胸にしまった。「今回の五輪は僕1人の力ではとてもかなわなかった。じゃあ僕は何ができるかというと、1走の塚原と3走の高平が思いきり走れる環境をつくること。それを形にした」。
3走の高平は、混戦の中で冷静にバトンをつないだ。オランダと南アフリカに挟まれ「ごちゃごちゃになって、狭くなっていた。何とか渡しました」。この時点で5番手だったが、ライバルが崩れ、アンカー朝原が激走。決勝への切符を手に入れた。
今大会はボルトが世界新を連発し、米国は表彰台が当たり前。日本は予選ラウンドでの敗退が相次いだ。前夜まで2日間、夕食の後で、4人はじっくり話し合った。「速くなりたいなら、あいつらと同じことをしていては駄目だ」。日本陸上界の将来像まで話は及んだ。気付くと5時間がたち、ベッドに入ったのは午前2時すぎだった。
個人ではかなわない分、結束力が増した。他国が軽視するバトン練習を地道にこなし、パスの技術は世界トップレベルにある。前日20日に史子夫人(36)と長女寧々ちゃん(5)が北京入りした朝原は「とにかく明日、しっかり走れるように。勝負はもう始まっていますから」と気を引き締めた。千載一遇のチャンスが、やってきた。【佐々木一郎】
[2008年8月22日9時13分 紙面から]
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