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朝原の夢は後輩たちが引き継いだ/陸上

ゴール後、記念写真を撮る左から塚原、末続、高平、朝原
ゴール後、記念写真を撮る左から塚原、末続、高平、朝原

<北京五輪:陸上>◇22日◇男子400メートルリレー決勝

 朝原宣治の五輪ラストランを、1走・塚原直貴(23)と3走・高平慎士(24=ともに富士通)の若手コンビがもり立てた。2走・末続慎吾(28=ミズノ)は不調の中でも、精いっぱいの走りをみせた。来季以降、朝原が不在となる日本陸上界。後輩たちは朝原抜きで12年ロンドン五輪を目指し、個人種目での決勝進出という夢を託された。

 アンカーの朝原へ、後輩3人が最高のバトンをつないだ。1走の塚原は絶好のスタート。これが、メダルへの大きな1歩だった。

 塚原は、大会前から朝原が引退した後のことを、こう意識していた。「僕は、後釜としてしっかり継承していくべき立場にいる。今、朝原さんは、そういう人を見つけているのかなという感じがする。任せられるようになってから、卒業できるんじゃないですか」。

 100メートルでは、五輪で8年ぶりとなる準決勝進出を果たした。だが、帰りのバスで朝原に「(準決勝に)残るべくして残るか、滑り込むか大きな差がある。今日のツカポン(塚原の愛称)は、後者だね」と指摘された。実力を認められたわけではなかった。だが、リレーで、見返した。後継者にふさわしい激走だった。

 2走の末続は、リレーで人が変わった。個人種目の200メートルは1次予選で敗退。ショックを吹っ飛ばし、日本になくてはならないことを証明した。一時は引退も考えたが、翻意した。このメダルが、今後へのモチベーションにもなった。「4年後、やれるかどうかは分からない。ただ、自分を1年1年ぶち破って、世界で戦えるようになりたい。もう1度銅メダルを取りますんで、頑張ります」。朝原引退後のエースとしての決意だった。

 高平は、朝原が尊敬の対象だった。「神じゃないですけど、あの領域に達するのは難しい。僕らからみてすごいと思う存在。息子が父を超えられない感覚。いつまでたってもおやじはおやじという感じです」。アンカーにつなぐ3走として「朝原さんにバトンを渡せば何とかなる」と思って走ってきた。そのおやじは来年、もういない。自分が何とかする立場で、走る時はもうすぐだ。

 朝原は、走り終えて言った。「これまで一緒に走ったリレーメンバーすべてに感謝したいです。ラッキーもあったけど、世界と戦えることも証明できた。後から続く選手を応援したい」。リレーのメダルは手にしたが、個人種目のファイナリストは、夢のまま。後輩たちは、アンカー朝原から大事なバトンを受け取った。【佐々木一郎】

 [2008年8月23日8時37分 紙面から]


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