新井3安打4打点の活躍/アジア予選

- 9回表無死二塁、右越え2点本塁打を放つ新井(撮影・田崎高広)
<北京五輪アジア予選:日本10-2台湾>◇3日◇台湾・台中
星野ジャパンの新4番新井貴浩内野手(30)が、打線を引っ張った。9回無死二塁から右翼席へ2ランを運んで試合を決めた。初回には2死三塁から左前先制適時打を放つなど、3安打4打点の活躍。巨人高橋由伸、小笠原道大、ソフトバンク多村仁が故障で出場を辞退する中で、FAで阪神移籍を決めた新主砲が重責を果たした。
もう「スモール」は必要なかった。新井が9回無死二塁から147キロ外角速球をフルスイング。見逃せばボールだったが、それでも力いっぱいにバットを振った。打球は右翼スタンドへ消えるダメ押しの2ラン。右腕を突き上げた。「気持ちしかなかった」。すでに決定的だった五輪出場を豪快弾で祝った。
闘争本能をムキ出しにした。1回2死三塁、右ヒジに投球が当たったが、判定はファウル。星野監督の抗議も認められなかった。左ヒジの防御具を思わずベンチに投げ捨てた。「デッドボールでも何でもいいので、食らいついていこうと思った。走者を返すことだけを考えた」。外角に逃げるスライダーを執念でとらえ、左前へ先制タイムリーを放ち、勢いをつけた。
地元の大応援団の大ブーイング。一瞬でも気の抜けない状況だが、これを求めていた。まだFA騒動が始まってない10月。レッドソックス岡島がピンチをしのいだ場面に興奮して、つぶやいた。「やるか、やられるかの場面で打席に立ってみたい」。このアジア予選がまさにそうだった。四球を選んだ3回の打席も初球から顔面付近に内角攻めを受けた。7回の猛攻では右前適時打で堂々の4打点。「ここまでしびれた3日間はなかった」と振り返った。
試合後の会見では台湾メディアから「台湾に課題があるか、アドバイスしてくれ」と質問が飛んだ。星野監督は新井を指名。「相手どうこうじゃない。台湾に欠点はなかった。日本の選手全員の気持ちが強かった。だから集中打が出た」と胸を張った。帰国後は阪神との正式契約が待っている。「日の丸は言葉で言えないほど重かった」。台湾で得た自信を胸に激動の来季に臨む。【田口真一郎】
[2007年12月4日9時40分 紙面から]
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