星野監督命がけで世界の頂点を

- 星野監督(中央)は山本コーチ(左)、田淵コーチとともに北京五輪で野球人生の集大成をかける(撮影・田口真一郎)
命がけで世界の頂点に立つ! 北京五輪(8月8日開幕)で金メダルを目指す野球日本代表の星野仙一監督(60)が「デカい山がある。それを登らないといけない。オレはブッ倒れてもええ」と新春に燃える思いを激白した。野球競技は、2012年ロンドン五輪では競技種目から外れる。闘将は悲願の金メダル獲得はもちろん、世界に「野球」をアピールする場と位置付けて、燃えている。自らの野球人生をかけた「集大成」として、全力で勝ち抜く決意だ。
星野監督が命がけで金メダルを目指す決意だ。昨年末からオーストラリア・ゴールドコーストでつかの間の休暇を楽しんでいるが、スイッチはオフにしていなかった。五輪イヤーの幕開けに、闘将が熱い思いを明かした。
星野監督「1つ山をクリアして、また大きな山がある。それを登らないといけないんだ」。
金メダルという最大の目標を山に例えた。アジア予選の激闘を乗り越え、真夏の北京で野球人生のすべてをかける。「日本の団体競技で金メダルはあるのか?」。球技に限れば、男女バレーボールが正式種目で頂点に立っただけ。野球は次回の12年ロンドン五輪から競技種目を外される。
星野監督「野球がなくなるのは、大変なことなんだ。戦後60年で日本野球は技術革新した。先人の苦労をもっと勉強せなアカン。いい伝統をつないで、いかなアカン。オレはブッ倒れてもええ、と思っている。日の丸のファンが期待しているし、自分自身はどうなってもいい」。
球界のためにも五輪は集大成で臨む。アジア予選の激闘で、国を代表する重責をあらためて痛感した。
星野監督「日の丸は布やキャンバスでできていなかった。“鋼鉄”だった。重かった。各球団のスター選手が、高校球児以上に必死にやっていた。還暦3人組もブッ倒れてもいいくらい必死だったから」。
たかが野球、されど野球だ。星野監督の底知れぬ情熱は「変革」が原動力になっている。昨年の世相を表す漢字に「偽」が選ばれた。食品業界の偽装や政治、行政への不信。野球界もメジャーリーグでドーピング問題が噴出した。
星野監督「偽装とか偽りとかが、そこら中に飛び交っている。人間が生きている以上、いくらでもある。食べ物にしても、そんなもん自己責任だよ。食っておかしいと思ったら、やめたらいい。自分たちがしっかりしないといけない。他人任せだから、こうなる。打ち勝っていかないと、本物にはならん」。
台湾での戦いぶりは本物だった。テレビ視聴率は40%を超え、ファンを感動させた。さらに「でかい山」でも、本物とは何かを伝える使命に燃えている。それは金メダル獲得によって結実する。
星野監督「北京を日の丸でいっぱいにしたい」。
バットとボールで時代を動かすため、闘将が人生最大の大勝負に挑む。【田口真一郎】
[2008年1月1日9時49分 紙面から]
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