1992年バルセロナ大会
3位決定戦 日本、米国を破り銅メダル獲得

- 銅メダルを獲得し手を挙げて声援に応える全日本ナイン(撮影・宮川勝也)=1992年8月5日
◇1992年8月5日◇バルセロナ五輪3位決定戦 米国戦
<ペン>赤坂厚、樋口浩一、久保勇人、桝田朗、赤星美佐子 <技術>佐久間豊 <カメラ>宮川勝也、黒河謙一、福永力
運不運が交錯した。1回表、日本の1番大島の当たりがライト前にフラフラと上がり、風に戻されて幸運な二塁打になった。続く十河の送りバントを、米国の一塁ジアンビがお手玉。労せずして無死一、三塁のチャンスになった。しかし、佐藤真が止めたバットをハーフスイングととられて三振。徳永の当たりは痛烈なライナーで中前に抜けるかというのを、二塁ウィマーが横っ飛びで好捕し、ヒットエンドランがかかっていたこともあって併殺と、先制のチャンスを逃してしまった。
日本の先発は伊藤。本当なら、決勝のキューバ戦での登板が予定されていたが、気持ちを入れ替えての投球になった。1死後、中前に安打を打たれたが、3番ハモンズを三振に切り、二塁を狙った走者も高見が刺して、こちらも併殺と、互いに手探りの立ち上がりになった。
前日、台湾に完全な力負けを喫して、意気消沈していた日本チーム。山中監督が「まだ3位になるチャンスが残っているから、ものにしよう」と沈む選手たちの気持ちを何とか盛り上げようとしていた。公開競技だったロスで金、ソウルで銀ときていただけに、どちらの色の可能性もなくしてしまったのは「惨敗」に等しい気持ちであることは確か。しかし、何の土産もなしには帰りたくはない。
2回、先頭の若林が左翼線に二塁打を放ち、小島の時に暴投で三進。小島が歩いて、初回と同じ無死一、三塁とした。小久保の三塁線を破る二塁打で先制。
続く高見が代わったグリーンから、中前に2点適時打を放った。坂口、大島と続く4連打で4点。なおも無死一、三塁と攻めたが、米国フレーザー監督がたまらず出した3人目のアルカイアに断たれた。
3回まで日本の先発・伊藤が好投。7個の三振を奪ったが、4回につかまった。ジアンビ、ハモンズの連続二塁打で1点を失った。4番タッカーに対して四球を出し、無死一、二塁としたところで、山中監督は左腕・杉山をマウンドに送った。ネビンを三振に取ったが、その時、高見の一塁けん制が悪投になり、二塁走者がかえって余計な点を与えてしまった。
米国は5回にも長打で得点。ガルシアパラの内野安打とマレーの二塁打で1点差に迫った。日本は連投の杉浦をマウンドに送り、何とかしのいだのが功を奏した。
6回、4番徳永が口火を切る中前打。1死一、二塁としたところで、小久保が中堅越えフェンス直撃の二塁打で1点。さらに2死満塁から大島が左翼越えに走者一掃の二塁打を放ち、8―3にリードを広げて銅メダルを確定づけた。
投げては3番手の杉浦が力投を見せる。交代直後こそヒットを許したが、後続をピシャリと抑えた。9回は圧巻の3者連続三振で、4回2/3を1安打無失点と完ぺきなリリーフ。8―3で日本は予選に続き米国を撃破。ロス金、ソウル銀から一歩ずつ後退ながら、3大会連続メダルを死守した。
| 準決勝 | ●2-5 | 台湾 |
|---|---|---|
| 3位決定戦 | ○8-3 | 米国 |
| 順位 | チーム名 | キューバ | 日本 | 台湾 | 米国 | プエルトリコ | ドミニカ | イタリア | スペイン |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | キューバ | × | ○ (8-2) |
○ (8-1) |
○ (9-6) |
○ (9-4) |
○ (8-0) |
○ (18-1) |
○ (18-0) |
| 2 | 日本 | ● (2-8) |
× | ● (0-2) |
○ (7-1) |
○ (9-0) |
○ (17-0) |
○ (13-3) |
○ (12-1) |
| 3 | 台湾 | ● (1-8) |
○ (2-0) |
× | ● (9-10 |
○ (10-1) |
○ (11-0) |
○ (8-2) |
○ (20-0) |
| 4 | 米国 | ● (6-9) |
● (1-7) |
○ (10-9) |
× | ○ (8-2) |
○ (10-0) |
○ (10-0) |
○ (4-1) |
| 5 | プエルトリコ | ● (4-9) |
● (0-9) |
● (1-10) |
● (2-8) |
× | ○ (7-5) |
○ (2-0) |
● (6-7) |
| 6 | ドミニカ | ● (0-8) |
● (0-17) |
● (0-11) |
● (0-10) |
● (5-7) |
× | ○ (7-5) |
○ (11-2) |
| 7 | イタリア | ● (1-18) |
● (3-13) |
● (2-8) |
● (0-10) |
● (0-2) |
● (5-7) |
× | ○ (14-4) |
| 8 | スペイン | ● (0-18) |
● (1-12) |
● (0-20) |
● (1-4) |
○ (7-6) |
● (2-11) |
● (4-14) |
× |
| 位置 | 選手名 | 年齢 | 所属 |
|---|---|---|---|
| 監督 | 山中正竹 | 45 | 住友金属 |
| 投手 | 佐藤康弘 | 25 | プリンスホテル |
| 杉山賢人 | 23 | 東芝 | |
| 渡部勝美 | 30 | 大昭和北海道 | |
| 西山一宇 | 21 | NTT四国 | |
| 小桧山雅仁 | 23 | 日本石油 | |
| 伊藤智仁 | 21 | 三菱自動車京都 | |
| 杉浦正則 | 24 | 日本生命 | |
| 捕手 | 高見泰範 | 28 | 東芝 |
| 三輪 隆 | 22 | 神戸製鋼 | |
| 内野手 | 大島公一 | 25 | 日本生命 |
| 若林重喜 | 25 | 日本石油 | |
| 西 正文 | 31 | 大阪ガス | |
| 徳永耕治 | 23 | 日本石油 | |
| 十河章浩 | 25 | 日本生命 | |
| 小島啓民 | 28 | 三菱重工長崎 | |
| 小久保裕紀 | 20 | 青学大 | |
| 外野手 | 坂口裕之 | 26 | 日本石油 |
| 佐藤真一 | 26 | たくぎん | |
| 中本 浩 | 25 | 松下電器 | |
| 川畑伸一郎 | 25 | 住友金属 |
※年齢、所属は当時



