1996年アトランタ大会
日本、銀メダル キューバから9点奪う

- 銀メダルを獲得しウィニングランをする日本チーム(撮影・河南真一)=1996年
◇1996年8月2日◇バルセロナ五輪3位決定戦 米国戦
最後の最後まであきらめなかった。世界一のキューバ相手に、日本は挑戦者としてのファイトを捨てなかった。金メダルこそ取れなかったが、五輪決勝の舞台で3アーチを含む9安打9得点。世界に誇れる銀メダルを手にした。
4番打者松中が意地を見せた。序盤で1―6とリードされ、だれもがキューバの圧勝を信じた5回、1点を返して2死満塁。スライダーをたたいた松中の打球は、左翼スタンドへ飛び込んだ。一挙に同点に追いつくグランドスラムに、日本人以外の観客も、スタンディングオベーションで松中を祝福した。
「このゲームがこのチームとしては最後だと思って打席に入った」。五輪前は、4番ながら、井口、福留に比べて注目度は低かった。予選で痛い1敗を喫した対豪州戦では5打数無安打。4番の責任を感じその日の夜から深夜の素振りを始めた。右手首を痛めるほど振り続けて最後に見せた4番の意地だった。「最高だった。悔いはない」。テーピングでグルグル巻きにされた右手で銀メダルを持つと、「重いですね」と、笑った。
7回、9回と2打席連発をマークした谷も言った。「9回は点差(6点)はあったが、負けたくなかった。最後の力を振り絞った」。米国を破ってつかんだ五輪ファイナリストとして、あっさり引き下がるわけにはいかなかった。
ゲーム終了後は、ナイン全員がひとみをうるませた。五輪初体験の福留は「悔しくて泣けてきた。でも自分の選んだ道が間違ってなかったと思った」と、感激。井口も「メダルは宝になります」と、銀メダルをみつめた。「予選は苦しかったが、みんなではい上がってつかんだ銀メダル。選手の働きは金メダルと同じだ」。川島監督はキューバから9点を奪った選手の精神力を褒めたたえた。【浦田由紀夫】
| 準決勝 | ○11-2 | 米国 |
|---|---|---|
| 決勝 | ●9-13 | キューバ |
| 順位 | チーム名 | キューバ | 米国 | 日本 | ニカラグア | オランダ | イタリア | 豪州 | 韓国 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | キューバ | × | ○ (10-8) |
○ (8-7) |
○ (8-7) |
○ (18-2) |
○ (20-6) |
○ (19-8) |
○ (14-11) |
| 2 | 米国 | ● (8-10) |
× | ○ (15-5) |
○ (4-1) |
○ (17-1) |
○ (15-3) |
○ (15-5) |
○ (7-2) |
| 3 | 日本 | ● (7-8) |
● (5-15) |
× | ○ (13-6) |
○ (12-2) |
○ (12-1) |
● (6-9) |
○ (14-4) |
| 4 | ニカラグア | ● (7-8) |
● (1-4) |
● (6-13) |
× | ○ (7-0) |
○ (7-2) |
○ (10-0) |
○ (8-3) |
| 5 | オランダ | ● (2-18) |
● (1-17) |
● (2-12) |
● (0-7) |
× | ○ (8-7) |
○ (16-6) |
● (3-11) |
| 6 | イタリア | ● (6-20) |
● (3-15) |
● (1-12) |
● (2-7) |
● (7-8) |
× | ○ (12-8) |
○ (2-1) |
| 7 | 豪州 | ● (8-19) |
● (5-15) |
○ (9-6) |
● (0-10) |
● (6-16) |
● (8-12) |
× | ○ (11-8) |
| 8 | 韓国 | ● (11-14) |
● (2-7) |
● (4-14) |
● (3-8) |
○ (11-3) |
● (1-2) |
● (8-11) |
× |
| 位置 | 選手名 | 年齢 | 所属 |
|---|---|---|---|
| 監督 | 川島勝司 | 53 | ヤマハ |
| 投手 | 三澤興一 | 22 | 早大 |
| 森中聖雄 | 22 | 東海大 | |
| 木村重太郎 | 28 | 東芝 | |
| 川村丈夫 | 24 | 日本石油 | |
| 小野 仁 | 19 | 日本石油 | |
| 森 昌彦 | 30 | NTT東海 | |
| 杉浦正則 | 28 | 日本生命 | |
| 捕手 | 大久保秀昭 | 27 | 日本石油 |
| 黒須 隆 | 27 | 日産自動車 | |
| 内野手 | 福留孝介 | 19 | 日本生命 |
| 野島正弘 | 24 | 日本石油 | |
| 松中信彦 | 22 | 新日鉄君津 | |
| 今岡 誠 | 21 | 東洋大 | |
| 桑元孝雄 | 26 | 三菱自動車川崎 | |
| 井口忠仁 | 21 | 青学大 | |
| 西郷泰之 | 23 | 三菱自動車川崎 | |
| 外野手 | 中村大伸 | 30 | NTT東京 |
| 高林孝之 | 28 | 日本石油 | |
| 佐藤友昭 | 27 | プリンスホテル | |
| 谷 佳知 | 23 | 三菱自動車岡崎 |
※年齢、所属は当時



