星野日本9回4点突き放し台湾圧倒/野球

- 7回裏台湾1死一塁、走者を稲葉からの好送球で併殺に仕留める新井
<北京五輪・野球:日本6-1台湾>◇14日◇1次リーグ
日本代表が台湾戦で五輪初勝利を挙げた。先発涌井秀章投手(22)が4回に1点を先制されたが、5回に阿部慎之助捕手(29)が右翼席へ起死回生の同点弾を放った。6回には稲葉篤紀外野手(36)の中前適時打で勝ち越した。7回からは岩瀬仁紀投手(33)-藤川球児投手(28)-上原浩治投手(33)の「IFK」必勝リレーで逃げ切った。13日のキューバ戦には敗れたが、1勝1敗のタイに戻し1次リーグ突破に前進した。
国の威信をかけ真っ向勝負した。星野ジャパンの守護神・上原が最後を締めた。9回、2番からの台湾打線を3人、わずか8球で片付けた。最後の4番の陳金峰は直球、フォーク、直球で3球三振。マウンドで小さくガッツポーズした。
9回表に味方打線の援護で5点リードとなり、「めちゃめちゃ楽だった」と北京初マウンドを振り返った。今季、公式戦で抑えは未経験。だが上原には関係なかった。「硬くて高いナゴヤドームに似た投げやすいマウンドだった。大丈夫です」。国際試合“無敗神話”は生きていた。
不振で五輪直前まで悩んでいた。五輪に行っていいのか-。ずっと疑問だった。心が折れずにいられたのは、野球が心底好きだったからだ。草野球をしているサラリーマン、子どもたちの楽しそうな笑顔を見ると上原は思う。「オレは幸せなんだよ。悩んでることが野球なんだから。野球を職業としてできてるんだから。1日を無駄にせず、本番を迎える」。少しずつ、五輪に合わせモチベーションを高めてきた。
「球児・浩治」コンビの藤川が8回を3者連続空振り三振と完ぺきな内容でバトンを渡した。昨年12月のアジア最終予選でコンビを組んだ後も2人は連絡を取り合った。本番を迎えるころには何でも相談できる友になっていた。藤川は「負けない投球をしようと思った。フォークが抜けるといやなので直球で。勝っていいムードなので、明日も頑張りたい」。最速150キロ。すごみのある投球で流れを引き寄せた。
岩瀬は7回を無失点に抑えた。岩瀬-藤川-上原のトリプルストッパー。日本が誇る終盤の勝利の方程式が仕事をし、初白星を運んできた。上原は「緊張感が違う。僕は参考記録です」と2人を立てた。星野監督も「上原は去年の12月(アジア最終予選)に戻ったようだった。良かったね。球児は見ての通りです。継投はジャパンの方程式ですから。この形でいきたい」と満足そうだった。金メダル奪取まで、このトリオで試合を締めくくる。【宮下敬至】
[2008年8月15日9時4分 紙面から]
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