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コラム


禁!お持ち帰り、売春店を公安が徹底監視

2008年8月07日

 中国の公安(警察)当局が期間中、北京市内で男性の「女遊び」を徹底阻止する方針を打ち出している。公安は中級以上のほぼ全ホテルに常駐して、男性の「女性お持ち帰り」を厳重監視。「連れ出し売春」の温床である個室付きカラオケクラブ「KTV」は女性の店内接客行為さえ禁じられたため、期間中「カラオケボックス」として“偽装営業”する店も。ほかの売春関連店も壊滅状態だ。しかし、一部高層ビルの一室では複数の日本人向け「売春マッサージ」店が極秘営業。日本人が摘発される可能性もありそうだ。

 夜、北京市街地では「KTV」と書かれた派手なネオンの個室カラオケクラブが目につく。KTVは実際、男性客が女性を、自分が泊まるホテルなどに連れ出す「売春店」として利用されることが多く、北京には日本人向けの店も多い。

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北京の市街地では夜、「KTV」の派手なネオンが輝いている(写真と本文は関係ありません)

 しかし公安当局は五輪期間直前から期間中、KTVを含めた売春業者を徹底的に取り締まり、男性の「女遊び」を“全面阻止”する方針を打ち出している。あるKTVに行くと、店内はガラガラ。店員は「最近の売り上げは通常時の9割減。五輪景気どころじゃなく大打撃です。公安当局の厳しい通達で、これまでのような営業ができなくなったからです」とこぼした。

 7月下旬、公安はKTVなどに対し、女性による店内の「接客」行為さえ禁じる通達を出した。事実上、クラブとしての営業が不可能となり、当面「カラオケボックス」に“偽装”して営業を続ける店も複数出ている。「女性も『客』として来店したことにし、カラオケボックスの個室で偶然男性客と出会ったことにする」(KTV関係者)。

 また関係者によると現在、北京市内の「三ツ星」以上のほぼ全ホテルに私服の公安が常駐。日本人らが女性を自分のホテルに連れ込む「お持ち帰り」行為を入念に監視している。KTV店内にも監視カメラ設置を義務付け、女性の顔まで記録する徹底ぶりだ。

 別のKTV店員は「五輪期間中は女性をホテルに連れ帰ると公安に捕まる。だからうちでは今、『お持ち帰り』はできません」。KTVで働く上海出身の女性(21)も「五輪期間中は、オトコのホテルは危ないから行かないよ」と話した。

 北京ではこのほか、理髪店や美容室を装い、店の奥で売春する通称「床屋」と呼ばれる風俗もある。市北西部の床屋エリアに行ってみると、壊滅状態。近所の商店主は「7月下旬に一斉摘発があり、ほとんどの床屋が閉店した」と証言。

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かつて売春店「床屋」が多数あったエリアには、怪しいネオンを灯した日本の「ファッションヘルス」のような店がわずかに存在していた

 ロシア人女性らの売春交渉場所として有名だった市中心部の大型クラブ「H」も数カ月前、公安の摘発をうけ閉店していた。こうした売春店つぶしのため「公安側は密告者をうながし賞金も出している」(売春店関係者)との証言もある。

 しかし、市街地の高層オフィスビルの中には今も、日本人向けをうたった「売春マッサージ店」が計10店近く極秘営業していた。ある店ではドアに看板がなく、何の業種か分からなかった。こうした店は地元誌などに日本語の店名と「高級マッサージ」などと書いた広告を掲載。電話するとすぐ「600元(約9400円)でホンバン(本番)」などと売春を持ち掛けてきた。多くの店は、広告に虚偽の部屋番号を記載。客を近くに迎えに行き、ビル内の本当の部屋に案内するパターンが多い。

 売春業界に詳しい北京在住の日本人は「こうした取り締まりの実態を知らない日本人が売春業者を利用して逮捕されることはありうる。五輪期間中、北京で『女遊び』は絶対しないほうがいい」と警告した。

わいろ横行店内は安全!?

 KTVなどの中には、所轄の公安と「つながっている」店も多いという。あるKTV店員は「公安に『わいろ』を渡すのは当たり前。渡さないと、繰り返し『ガサ入れ』をされたりする。わいろの相場は、100平方メートルの広さの店だと、所轄の担当者に週1回、100(約1600円)~300元(約4700円)を渡す程度。モノだと、ビール5ケース程度か。取り締まり強化期間の前などには、幹部クラスに5000元(約7万8000円)分の商品券を渡したりする」と証言した。別の店の店員は「公安とつながっている店なら情報が入るから、基本的に店内で客が捕まることはないが、ホテルに女性を連れ帰った時の逮捕までは防げない」と話した。

 中国では売買春は違法。公安当局に買春で摘発された場合「最高15日以内の拘留および5000元(約7万8000円)以下の罰金」「国外退去処分」などが科せられることがある。

広部玄(ひろべ・げん)

 1970年生まれ。早大政経学部卒。編集局整理部などを経て、95年から文化社会部で社会、芸能など担当。裏社会ネタ、異常性犯罪、オウム関連、ライブドア・株関連、アイドル関連、格闘技マニアック情報などがやや得意。01年からの連載「広部が行く」はまったく惜しまれることなく03年ごろ自然消滅。それ以外のこれまでの連載は「広部玄の株やっちゃうぞ」「広部玄のイケイケ(アテネ五輪)」「ニッポン珍事情(←記憶している国民は推定3人以下)」「広部玄の先モノ買い」(←同推定2人以下)「見た・聞いた・思った」(←約半年で事実上解任)「広部玄の勝手にアイドルカウンセリング」(←最近著しく頻度が落ちている)などがあったが、あとは忘却。07年の小島よしお肯定派。




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