北京総ラブホ化!? ホテルにコンドーム常備指令
2008年8月08日
どこへ行ってもコンドームだらけ? 北京の高級ホテルが「ラブホテル化」している。市当局がHIV感染拡大阻止などの理由で最近、3つ星以上のホテルに客室などへの「コンドーム常備」指令を通達。最高級5つ星ホテルも、客室にコンドームを置いているところが増えている。おしゃれなバー街「三里屯」でも、ほぼすべてのバーがコンドームを無料で大量配布中。選手村もしかり。期間中、街にコンドームがあふれた状態だ。ただ「ラブホテル化」する状況に違和感を持つ人もいるようで…。
市当局通達
北京市街のある「5つ星」ホテル。客室に入ると、グラスなどが並ぶ「ミニバー」コーナーに、小さな紙のパッケージが置いてある。中にあるのはコンドーム1袋だ。五輪期間中、原則的に全部屋に1個のコンドームを置くという。
まるで日本の「ラブホテル」。このホテル従業員は「3月に北京市当局から『コンドームを置くように』と通達が来たので、素直に従わざるをえない。使った場合は有料。ドリンクを飲んだのと同じように、チェックアウト時に精算してもらいます」と話した。
実は、客室へのコンドーム常備は、五輪を控えた北京市の「安全政策」の一環だ。同市では最近、HIV感染者が急増。今年4月の時点で、約5200人の感染者が確認されている。そうした中、市は拡大を防ぐため、今年3月ごろまでに市内の「3つ星」以上の全約700軒のホテルに対し、今年末までに客室などへのコンドーム常備を義務付ける通達を出した。サウナやナイトクラブ、娯楽施設も通達の対象となった。
ある4つ星ホテルでは「3月3日に区のエイズ予防委員会から通達を受けたので、今は各部屋の洗面台に1個ずつコンドームを無料配置している」と話した。
有料か無料かはホテルが決めることができ、有料の場合は1個10元(約156円)程度が相場。また、通達以前から、共用トイレ内にコンドーム自販機を置いてあるホテルもある。あるホテルでは「3つ星以上の半数以上は現在、コンドームを常備しているのではないか」と話した。
売春疑わず
一方、多くの若者や外国人が集まり、おしゃれなバーがたち並ぶ市中心部の「三里屯」エリアでは、ほぼ全店にあたる計16店のバーでコンドームの「無料大量配布」をしている。これらのバーは外国人と地元女性らの「出会い」の場にもなっており、ある有名バーでは、トイレの洗面台脇に無料コンドームが計約100個入ったケースを常設。「取り放題」状態だった。

- 三里屯のバーのトイレには「コンドームを使って安全なセックスを」と書かれ、多数の無料コンドームが入った大きな箱が設置されていた
三里屯地区の市機関、三里屯計画生育弁公室に聞くと、このコンドーム無料配布は03年、三里屯で「安全なセックスによるHIV、性病感染防止」の意識を高める目的でスタート。現在は弁公室が16店に対し、毎月計約5000個ものコンドームを無料で提供している。バーの店員は「弁公室から配布される大量のコンドームをトイレに置き無料配布しています」。弁公室では「三里屯のバーには週末、一晩で2000人以上の客が訪れる。彼らの性病防止意識を高めることができている」と話した。
これまで北京では、コンドームを所持していると、警察に売春行為を疑われることがあったが当局は当面、コンドーム所持を売春の「証拠」としないという。
「撤去して」
ただ、こうした「コンドーム設置」に違和感を訴える声も出ている。市内の高級ホテル従業員は「ツアー会社の人などが事前に下見に来た時『何ですかこのコンドームは?』『撤去してください』と訴えてくることがある。撤去せざるをえないことも」と証言。またコンドーム問題について「何も答えられない」と困惑した様子のホテルも多かった。

- アダルトショップには「ベッカム・コンドーム」はなかったが、顔を無断使用したとみられる「クリントン絶倫剤」が売られていた
中国語では「避孕套」
中国語ではコンドームのことを「避孕套(ビーユィンタオ)」と称するのが一般的だ。「安全套(アンチュアンタオ)」とも呼ぶ。「避」は「避ける」意味で、「孕」は「孕(はら)ませる(妊娠させる)」ことを意味し、「套」は「かぶるもの」を意味する。つまり「妊娠を避けるためにかぶるもの」という訳になる。



