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コラム


堂々と偽iPhoneが!偽五輪グッズも!!

2008年8月16日

 北京市中心部の巨大ショッピングビル「秀水街」では、先月日本など22カ国で同時発売されたばかりの米アップル社製新型携帯電話「iPhone」の“偽物”が、早くも堂々と売られていた。この「偽iPhone」、五輪開会後に売り上げが倍増している店もあるなど、大人気。偽物をさらにコピーした「偽・偽iPhone」まで出る始末だった。かつて「ニセモノ市場」と呼ばれ問題視された秀水街だが、海外の選手、関係者でにぎわう五輪期間中も、「コピー文化」に反省の色はなかった。

2万円値切れた

 北京中心部、各国大使館やホテルが並ぶエリアに、7階建ての巨大な「秀水街」がそびえている。通常期で1日約5万人が訪れ、服、雑貨などの小さな店が約1200店もひしめき合う。今は特に、各国の五輪関係者や選手らで混雑している。
 そんな秀水街の、ある電器店に、米アップル社の新型携帯電話「iPhone」そっくりの機器が置かれているのを見つけた。同社のリンゴのマークも刻印され、液晶パネルも大きく、トップページのデザインもそっくり。だがボタンの配置や、画面のアイコンなどが微妙に異なっている。

 20歳くらいの女性店員に値段を聞くと、「2500元(約3万9000円)」。「高い」というと、2000元、1500元…と徐々に値段を下げていき、最終的には「1000元(約1万5600円)でどう?」と食い下がってきた。「でもこれは偽物でしょ」と何度も突っ込むと、あっさり「偽物。香港の業者が作ってるものよ」。“偽iPhone”と認めた。

 iPhoneは昨年6月米国で発売され今年7月、日本など世界22カ国で同時発売された人気新型携帯電話。画面を触って操作するタッチパネル方式が特徴で、携帯音楽プレーヤー「iPod」の機能もある。

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香港製「偽iPhone」(左)のトップページは本物そっくりで精巧にできていた

専用ケースまで

 実際、かなり“精巧”な偽物だった。タッチパネル操作も可能。どこまで使えるか不明だが、メニュー画面には「電話」「カメラ」「カレンダー」「マルチメディア」などのボタンが。「偽iPhone」専用のケースまで売っている手の込みようだった。

 この店員によると、偽iPhoneは約2カ月前から販売しており、五輪が始まってから売れ行きが倍増したという。「普段は1日5個程度。でも五輪開幕後は外国人客が増えて1日10個くらい売れる」とのこと。料金はいいかげんで、隣にいた欧米系の中年男性は、「本物」と思ったのか「3000元(約4万7000円)」というボッタクリ価格で買わされていた。

以前から問題視

 秀水街には、偽iPhoneを売っている店が十数店あった。偽物は香港製など数種類あるとみられ「i」が大文字の「I」になっているずさんなものも。ある店員は、偽iPhoneを手に取りながら「これは広東省製のタイプ。香港製の精巧なiPhoneのコピー品を、さらにコピーしたものだ」と説明した。

 秀水街では以前から、偽ブランド品販売が横行。“ニセモノ市場”などと呼ばれ問題視されていた。北京市当局も五輪を前にコピー品を押収するなど、偽物完全排除を目指し秀水街などのマークを強化していた。

 しかし五輪期間中も、秀水街は懲りていなかったようだ。約50店並ぶ時計売り場に行くと、偽時計の山。女性店員は「偽ロレックス」を「コピー品」と認めつつ、「150元(約2300円)」で売り付けてきた。公安が見回っているため、偽ロレックスは普段スーツケースに隠しておき、客が来た時だけ出すという巧妙さ。この店員は、買わないと分かると「とっとと消えて!」と手で追い払うポーズをしてキレた。

 この「ニセモノ市場」の1階には最近、五輪グッズの公式ショップができていた。男性店員に「まさかこれは偽物ではないですよね?」と聞くと、苦笑しつつ「本物ですよ」と答えた。


五輪グッズも「偽物だ」

 秀水街付近くには、路上で「偽・五輪公式グッズ」を売る行商集団も出現していた。50歳くらいの女性を中心に、中年男性3~4人のメンバー。横断歩道で突然取り囲まれ、真剣な表情の女性が、黒い袋に詰めた「偽五輪グッズ」を次々取り出し「帽子1個で20元(約310円)、6個で100元(約1560円)。買って!」と大声で売り付けてきた。「本物か?」と聞くと「偽物だ」。

 当惑していると、公式キャラ「福娃(フーアー)」が描かれたキーホルダーなどの小物も出し「これは5つで50元」と執拗(しつよう)に食い下がる。別の男性も袋から、偽五輪Tシャツを取り出し「これはどうだ?」。その時、女性たちが突然偽グッズを袋にしまった。女性が小声で「公安(警察)が来たよ!」。公安がいなくなると、再び偽物を売り付けてきた。

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路上では、怪しい行商集団が「偽五輪グッズ」を袋から取り出して売り付けてきた

広部玄(ひろべ・げん)

 1970年生まれ。早大政経学部卒。編集局整理部などを経て、95年から文化社会部で社会、芸能など担当。裏社会ネタ、異常性犯罪、オウム関連、ライブドア・株関連、アイドル関連、格闘技マニアック情報などがやや得意。01年からの連載「広部が行く」はまったく惜しまれることなく03年ごろ自然消滅。それ以外のこれまでの連載は「広部玄の株やっちゃうぞ」「広部玄のイケイケ(アテネ五輪)」「ニッポン珍事情(←記憶している国民は推定3人以下)」「広部玄の先モノ買い」(←同推定2人以下)「見た・聞いた・思った」(←約半年で事実上解任)「広部玄の勝手にアイドルカウンセリング」(←最近著しく頻度が落ちている)などがあったが、あとは忘却。07年の小島よしお肯定派。




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