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コラム


小学生から70代まで中国にファン100万人 愛される理由

2008年8月19日

 中国で最も人気がある日本人スポーツ選手が、開会式で旗手を務めた卓球の福原愛(19)だ。いったいどこが中国人をひきつけるのか。さっそく約5000人、中国最大の会員数を誇るファンクラブ主宰者の男子大学生を北京でキャッチ。「福原愛(フゥユアンアイ)」の魅力を語ってもらった。福原を「かわいい」と強調する管理人は、自分の奨学金のほとんどをファン活動の費用に投入。「愛ちゃんはもはや、家族と同じ」と熱い胸の内を告白した。

06年に立ち上げ

 この中国最大のファンクラブは「愛的小屋(アイドショウ)」。同クラブのサイトには現在、約5000人の会員が登録している。クラブを06年5月に立ち上げた主宰者は、山東省の大学3年生、孔さん(22)。上京中だった孔さんを北京市内でキャッチすると、いきなり、自作という、裏に福原の略歴などが書かれた8種類のトレーディングカードやポスター、日本の卓球雑誌の写真などの「愛ちゃんグッズ」を次々取り出し、うれしそうに見せた。日本でいう、アイドルの“追っかけ”にノリが近い印象だ。
 孔さんが福原を初めて見たのは、自身が大学1年生だった06年春。試合をしている福原の姿をテレビで見て「かわいい!」と一瞬で一目ぼれした。さっそくネットで福原情報を徹底収集。すぐ「愛的小屋」を開設した。「かわいいと思った後は、ネットで生年月日などあらゆる情報を徹底的に調べました(笑い)」。

あだ名「瓷娃娃」

 福原は幼少期から中国東北部などで練習を積み、05、06年には中国のスーパーリーグに参加。美少女を意味する「瓷娃娃(ツーワーワー=陶器の人形)」というあだ名もついた。孔さんは、福原の魅力について「とにかくかわいい。また愛ちゃんが、中国に対する親しみや、友好的な気持ちを持っている。また、中国語が上手だし、中国東北地方の方言を話すので、すごく親近感がある。この3点でしょう」と語った。
 「愛的小屋」のサイトには福原の最新情報、活動記録、ファンの声などのコーナーがある。福原本人からの「愛的小屋のみなさんの応援に感謝します」という直筆メッセージも掲載。急速に会員を増やし、男性が9割。小学生から70代の人まで中国各地に会員がいる。「中国に愛ちゃんファンは100万人以上はいるとみています」(孔さん)。
 孔さんは、私財の大部分をファン活動に投じたほどの熱烈ぶり。「自作のグッズやサイト作成費用など、ファン活動にこれまで計約4000元(約6万2000円)使いましたが、すべて自分で払いました。大学の奨学金をほぼ全額投入しました(笑い)」。

奨学金全額投入

 ファンクラブとしてはこれまで広東省や湖南省で、06年8月、同12月、今年3月の3回、福原との面会イベントを成功させた。しかし孔さんは遠かったため行けなかった。まだ1度も本人に会えていない。「もちろんとても会いたい。でも最近はもう、愛ちゃんのことを『家族』のような、当たり前の存在のように思っています。だから『会いたい』という感情自体が薄れています(笑い)」。
 孔さんは卓球のチケットを4枚入手。観戦する気満々で上京したが、福原本人が出る試合のチケットは入手できなかった。福原が登場した13日の女子団体戦の会場には、「愛的小屋」のメンバー複数が会場の外に集結。ポスターや横断幕を持って、屋外から声援を送ったという。17日、福原らは女子団体で韓国に敗れ、4位。20日、福原は女子シングルスに登場する。

試合会場に集結

 孔さんは「できるだけ力を尽くして頑張ってほしい。でもいい成績をとれなくてもいい。五輪に出ること自体がとても光栄なことですから」。最後に、下世話な質問を。「結婚したいという気持ちもある?」。「ないない! それは…無理ですよ(笑い)。愛ちゃんには、経済的に豊かな男性と結婚して幸せな生活を送ってほしい」。

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おしゃれなバーが集まる「三里屯(サンリートン)」の店には福原の大きな写真が掲げられていた

スレッド4000以上 ネットでも愛ドル

 中国では、ネット上の掲示板でも、福原に対する意見が活発に交わされている。大手検索サイト「百度(バイドゥー)」の掲示板コーナーでは、「福原愛」のスレッドが人気。4000以上のスレッドが林立し、「『福原愛、大好き』と9999回書きましょう」「愛ちゃんいつまでも応援します、頑張って」と呼び掛ける熱狂的ファンも。自分のハンドルネームを「狂愛・福原愛」としている人もいた。また「愛ちゃんの学校の勉強の成績はどうなんですか?」とマニアックな“個人情報”を交換しあうスレッドもあった。一方、「日本政府は、外交に福原愛を利用しようとしている」などと、政治と結び付けた書き込みも目立った。

広部玄(ひろべ・げん)

 1970年生まれ。早大政経学部卒。編集局整理部などを経て、95年から文化社会部で社会、芸能など担当。裏社会ネタ、異常性犯罪、オウム関連、ライブドア・株関連、アイドル関連、格闘技マニアック情報などがやや得意。01年からの連載「広部が行く」はまったく惜しまれることなく03年ごろ自然消滅。それ以外のこれまでの連載は「広部玄の株やっちゃうぞ」「広部玄のイケイケ(アテネ五輪)」「ニッポン珍事情(←記憶している国民は推定3人以下)」「広部玄の先モノ買い」(←同推定2人以下)「見た・聞いた・思った」(←約半年で事実上解任)「広部玄の勝手にアイドルカウンセリング」(←最近著しく頻度が落ちている)などがあったが、あとは忘却。07年の小島よしお肯定派。




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