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コラム


中国政府が「萌え~」支持

2008年8月22日

 街は五輪でヒートアップする一方、北京では「アキバ文化」もますます盛り上がっていた。「北京の秋葉原」こと中関村を1年ぶりに訪れてみたが、巨大な「アニメ・漫画ビル」が誕生。日本のアニメキャラの衣装に身を包んだ「COSPLAY(コスプレ)美少女中学生軍団」に、熱いアニメへの思いを訴えられた。「秋葉原に行きたい」と話しつつ、ポーズを決める少女も。店では「萌(も)え」Tシャツまで販売。実はこの「オタクカルチャー」の拡大、中国政府も支持しているというから驚きだ。

壁にはガンダム

 北京中心部「天安門広場」の北西約10キロにある「中関村」を1年ぶりに訪れた。パソコン、電気機器、ソフトなどの専門店が入った巨大ビルが林立し、「北京の秋葉原」と呼ばれる活気はさらにパワーアップした印象。その中関村の中心部に、壁一面に「機動戦士ガンダム」「ドラえもん」「スラムダンク」など日本のアニメキャラが描かれた9階建て大型ビルを発見。昨年9月にオープンした「中関村国際動漫城(アニメセンター)」だ。

 1階玄関ではいきなり、ラジコンヘリを売る出店があり「オタク」的雰囲気が漂う。店が集中する5階に行くと日本のアニメ、漫画関連の小売店が15店前後ずらり。各店には「涼宮ハルヒの憂鬱(ゆううつ)」「エヴァンゲリオン」などのフィギュアが並び、日本語で「萌え~」とプリントされたTシャツ(50元=約800円)まで売られ「アキバ」にいる錯覚を覚えた。

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「中関村国際動漫城」の壁には「ドラえもん」のキャラがカベ一面に描かれ目立っていた

商品は全て日本製

 「別冊マーガレット」など日本の人気漫画誌や中国語版のコミック単行本もずらり。日本のアダルト系ゲームの美少女キャラの人形まであった。店員は「商品のほぼ全部が、日本のアニメ関連。みな日本から輸入したものばかりですよ。それくらい日本のアニメは人気です」と話した。

 「COSPLAY」と表記する「コスプレ」文化も熱い。同ビル内のコスプレ衣装店に行くと、多数の10代少女が日本のアニメキャラのコスプレ衣装を物色中。聞くとみな「コスプレサークル」のメンバーで、10月に北京の公園で開かれるコスプレイベントに向けて、コスプレの“練習”をしているというから本気だ。

 「日本から来た」と言うと、みな激しく反応。北京市の中学3年生少女(14)は自分の携帯に保存した、日本の人気声優平野綾(20)の歌を大音量で再生しその後「日本で歌手になりたい。私の歌を審査してください」と真剣な表情で訴え、アニメソングと思われる歌を歌い出したから、タジタジ。別の少女(16)は「日本のアニメは主人公がみな美しくて魅力があるから大好き。秋葉原に行って、あちこちの店を見て回るのが夢」と目を輝かせた。

 少女らは約10分後「見てください」と、それぞれが持っている「涼宮ハルヒの憂鬱」「テニスの王子様」「NARUTO」などのアニメのコスプレで登場。ポーズをとるほどの熱の入れようだった。別の14歳少女は「コスプレは、自分が好きなアニメの主人公になった気分が味わえるから楽しい」と話した。このビルにはこのほか、日本の漫画本などが多数並び、時々女性店員がコスプレをするメイドカフェ風の店も。ほかの階にもアニメ関連店などが入っている。

日本以上の熱意

 「中関村国際動漫城」運営企業担当者に聞くと、この「アニメビル」は「中国政府から支持をうけています」という。政府もアニメや漫画の普及に「喜んでいる」といい、「アキバ文化」発展は政府の“お墨付き”かも。「ビルは秋葉原を参考にしています。社長は秋葉原に行って街を見学しました」と明かした。

 中国では日本の「オタク」を意味する新語「御宅族」も広まっている。周辺を歩くと、近くの電機ビルに「動漫」という文字が目立ち、日本のアニメグッズなどを扱った大型店が複数あった。中関村によく来る現地駐在中の日本人の自称「オタク」男性(35)は「中国人の『オタク』少女たちの日本アニメに対する知識と熱意は、日本のオタク以上と感じることもあり、正直驚きます」と話した。

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07年8月23日付本紙

広部玄(ひろべ・げん)

 1970年生まれ。早大政経学部卒。編集局整理部などを経て、95年から文化社会部で社会、芸能など担当。裏社会ネタ、異常性犯罪、オウム関連、ライブドア・株関連、アイドル関連、格闘技マニアック情報などがやや得意。01年からの連載「広部が行く」はまったく惜しまれることなく03年ごろ自然消滅。それ以外のこれまでの連載は「広部玄の株やっちゃうぞ」「広部玄のイケイケ(アテネ五輪)」「ニッポン珍事情(←記憶している国民は推定3人以下)」「広部玄の先モノ買い」(←同推定2人以下)「見た・聞いた・思った」(←約半年で事実上解任)「広部玄の勝手にアイドルカウンセリング」(←最近著しく頻度が落ちている)などがあったが、あとは忘却。07年の小島よしお肯定派。




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