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コラム


潜入!!裏DVD密売部屋

2008年8月23日

 厳戒態勢が続く北京の市街地でも「裏DVD」が密売されていた。売人に接触。路地裏にある狭く薄汚い“密売部屋”に潜入すると、そこには無修正モノが多数あった。北京中心部のメーンストリート近くでも、裏DVDを密売する「電動スクーター軍団」を発見。五輪警備にあたる公安の目を気にしつつ、わいせつソフトを売り付けてきた。明らかに香港モノなのに「日本人モノだ」とウソをつくなど、日本人を狙っているフシもありそう。思わず「ここは歌舞伎町か」とつぶやいてしまった。

3畳以下

 「北京の秋葉原」と呼ばれる電気街・中関村中心部を歩いていたら、50代くらいの中年男が接近してきた。「ジャパニーズ?」。イエスと答えると「DVDを買わないか?」と持ち掛けてきた。「どんな種類か」と聞くと、「ついてきてくれ」という。男は、勝手に歩き出した。
 ついていくこと約300メートル。土ぼこりが舞う路地裏に入った。いつの間にか背後に仲間の中年女がおり、尾行していた。中年男は途中で、案内役を中年女に交代。その後は中年女についていくと、薄汚い平屋建ての、古いれんが造りの集合住宅に到着。中年女は鍵を取り出し、一室のドアを開けた。そこが「裏DVD密売部屋」だった。

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怪しい男と女に連れて行かれた部屋には…

1枚30元

 部屋は3畳以下の狭さで、汚れたマットやいすが散乱し床に段ボール箱が無造作に置かれていた。女は無表情で、箱から約30枚のわいせつDVDを取り出し「1枚30元(約468円)。50枚で1枚あたり25元(約390円)。全部無修整だよ」。中国語や英語でタイトルが書かれ、女優は日本人以外のアジア系ばかり。ほこりっぽいので玄関を開けると、外にいた別の見張り役女にすぐ閉められた。
 密売部屋を出て中年男に話を聞くと、「裏モノ」密売は10年以上前からやっており、密売部屋は月2500元(約3万9000円)で借りている。「1日数十枚~100枚売れる。客は日本人、韓国人、欧米人が多い。今は五輪期間中だから警備が厳しく、客が減っている」とこぼした。
 付近に大使館などが多い、中心地のメーンストリート「建国門外大街」にも裏DVDを密売する「電動スクーター軍団」が出没していた。多数の公安が立ち、厳戒態勢エリアだが、彼らは神出鬼没だ。数日前の夕方、同街を歩いていると、50歳前後の電動スクーターに乗った中年男が接近してきた。目が合うと、偽五輪グッズの帽子を取り出し「日本人? 1個20元(約312円)。買わないか」。「いらない」と答えると、「DVDはどう?」。

海賊版も

 男は周囲を警戒しつつ、スクーター荷台の箱をかぎで開け、袋にくるんだ約50枚のDVDを見せてきた。三国志を描いた映画「赤壁」など、中国や欧米の人気最新映画の海賊版DVDばかり。「DVDは1枚10元(約156円)だ」とアピール。「無修整DVDも売ってるのではないのか」と突っ込むと、男は「セックスムービー? 明日夕方、再びここに来て」と言い残し、去った。
 翌日夕、同じ場所に行ってみると、本当に同じスクーター男がいた。男は「ちょっと待って」と言って、いったん「拠点」と思われる近くの肉まん店に消え、再び袋を抱えて出てきた。周囲をキョロキョロ見回しつつ、袋から十数枚のわいせつDVDを取り出した。



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電動スクーターに乗った中年男が荷台から海賊版DVDを取り出し、見せてきた

すぐ買え

 「3枚100元(約1560円)。ジャパニーズ、アメリカン…」と、日本人や米国人女優の作品があると主張したが、見当たらない。男は「これは日本モノだ!」とあるDVDを指さしたが、香港モノだった。中には、わいせつアニメのDVDも。男はすぐDVDを袋にしまい「今は五輪だから公安の監視が厳しく、バレたらまずい。買うならすぐ買って」とイラつき、すぐスクーターで“客”を探しに消えた。
 付近にはほか5人前後、電動スクーターに乗った密売仲間がおり、グループ化していた。そういえば東京・歌舞伎町でも歩行者に裏DVD密売人が声を掛け、看板がない密売部屋に連れて行く手法が横行している。厳戒態勢の北京だが、裏DVDの“需要”はどこでもあるということか…。

広部玄(ひろべ・げん)

 1970年生まれ。早大政経学部卒。編集局整理部などを経て、95年から文化社会部で社会、芸能など担当。裏社会ネタ、異常性犯罪、オウム関連、ライブドア・株関連、アイドル関連、格闘技マニアック情報などがやや得意。01年からの連載「広部が行く」はまったく惜しまれることなく03年ごろ自然消滅。それ以外のこれまでの連載は「広部玄の株やっちゃうぞ」「広部玄のイケイケ(アテネ五輪)」「ニッポン珍事情(←記憶している国民は推定3人以下)」「広部玄の先モノ買い」(←同推定2人以下)「見た・聞いた・思った」(←約半年で事実上解任)「広部玄の勝手にアイドルカウンセリング」(←最近著しく頻度が落ちている)などがあったが、あとは忘却。07年の小島よしお肯定派。




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