長い入場行進で選手の体調心配
2008年8月09日
いよいよ五輪が始まった。コラム「OGGIの毎日がオリンピック」を9日から大会フィナーレまで連日掲載。ロサンゼルス五輪の84年に入社、7回目の大会を迎えた荻島弘一編集委員が五輪の真実に迫ります。
いつもながら、開会式で延々と続く入場行進には圧倒される。過去最多の204カ国・地域が歩き終わるのに、2時間かかった。それぞれが民族衣装などを身にまとい、全世界に向けて自分自身と国をアピールする。ツバルのように、その国の存在を知ってもらうことが重要な国もある。それでも、さすがに長い。
アルファベット順なら、どのあたりまで進んでいるか分かる。しかし、今回は参加国を漢字表記した時の画数順。どこまで進んでいるのか見当もつかない。英語だと半ばあたりで出てくる日本が、この日は23番目に行進した。それより後に180カ国も残っていたことも、長く感じた理由かもしれない。
心配なのは、選手の体調。負担は相当だろう。暑い中、行進開始まで待たされ、始まってからも遅い順番の国は2時間近くも待つ。疲れて体調を崩す選手がいても、おかしくはない。実際、行進を終えて座り込む選手も目立った。翌日競技のある選手の欠席も当たり前になっている。
確かに、入場行進は五輪の華だ。全選手が聖火を待つシーンは、開会式のクライマックス。テレビにとっても、最高の視聴率がとれるシーンに違いない。しかし、選手の負担を軽くする方法はあるはずだ。国別の行進が始まったのは100年前、1908年ロンドン大会。当時の出場選手は2000人程度だったが、今は5倍になった。同じ行進方法には無理もある。
選手が最大の力を発揮できるようにするのが、五輪の責任でもある。莫大(ばくだい)な放送権料やスポンサー収入は必要だが、選手が犠牲になっては仕方がない。本音を言えば、競泳の決勝は選手が最も力を発揮できる午後にやって欲しかった。「最高の選手が最高の力と技を競う」のが、IOCの目指す五輪のはずだが…。



