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コラム


遠慮してたら生活できない

2008年8月14日

 薄い味付けの中華料理、強引な運転をする車…。私はサッカー日本男子に帯同し、1次リーグ敗退が決定したことで14日に帰国することになった。日本の低迷に落胆する一方で、少し慣れてきた中国文化との別れが少々、寂しくなってきた。

 米国戦、ナイジェリア戦が行われた天津は日本の高度成長期を思わせる街だという。晴れでも天津の空に太陽ははっきりと見えなかった。空気が汚いというわけではないが、空はいわゆる「スモッグ」に包まれている。天津の試合会場で取材した50歳くらいの日本人サポーターは「昔を思い出しますね。光化学スモッグ注意報が出たら、外で遊ぶのを控えたもの」という。
 中国で遠慮なんてしていたら生活できない。タクシーに乗れば、まるでF1レーサーのように前の車を抜き去る。毎日のように交通事故現場に遭遇した。日本では大阪が運転のマナーが悪いと言われているが、その比ではない。郷に入れば郷に従え。クラクションを鳴らされても知らん顔をすればいいと思った。

 11日に瀋陽入りした。瀋陽の空は太陽がはっきりと見える。北京に近い天津よりも、住んでいる人の気質はやや穏やかかもしれない。人口870万人の大都市。あらゆる場所でビルの建設工事が行われていた。中華風の朝鮮料理はなかなかいける。瀋陽の名産「火鍋(ひなべ)」は最高だった。牛肉をごまだれで食べながら「もう帰るのか」とふと思った。【奈島宏樹】




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