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コラム


五輪とパラリンピックW出場

2008年8月16日

 大会も中盤を迎えようとしている。すでに、競技を終え、北京を去る選手もいる。

 卓球女子団体にポーランド代表として出場したナタリア・パルティカ(19)も、その1人。14日のドイツ戦とルーマニア戦のダブルスで勝利に貢献した。しかし、チームとして勝ち上がれず、1次リーグ敗退。個人戦への出場権はなく、大会を終えた。

 彼女は生まれつき、右ヒジより先がない。サーブは、わずかに残る関節にボールを乗せ、左手のラケットで打つ。物理的に左右の体のバランスを取ることが難しいはずだが、強い足腰でカバー。個人の世界ランクは147位。実力で、五輪の舞台に立った。

 「ほかの障害者に刺激を与えたいんです。自分を信じれば、何かができるということを。私は、五輪に出るという夢がかなった。結果は残念だったけど」。ジュニア時代から世界レベルで活躍し、卓球界ではなかなかの有名人という。

 私は8年前、シドニー・パラリンピックを取材した。障害の度合いもさまざまで、選手の競技に対する意識レベルは、上と下でかなりの幅がある。だが中には、五輪選手をしのぐほどのアスリートもいる。そういう選手は「健常者と勝負したい」と言っていたことが、印象に残っている。パルティカは、その典型だ。

 今回の五輪選手でパラリンピックにも出場するのは、パルティカと、左ヒザ下がない水泳オープンウオーター女子10キロのデュトワ(南アフリカ)だけ。パルティカは、パラリンピック連覇を目指す。もちろん、4年後の五輪も目標の1つ。選手が大会を去るのは、どこか寂しいが、それは次へのステップでもある。メダル獲得が話題になる陰で、五輪ではいろんなことが起きている。【佐々木一郎】




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