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コラム


リニア満席!中国の成長体感

2008年8月17日

 地方都市で開催される五輪サッカー競技の担当記者にとって、悩みの種が長距離移動。男女両代表チームの取材を掛け持ちした。天津―秦皇島を早朝と深夜発のバスで片道4時間、中1日で2往復したのは、さすがにこたえた。それでも女子の1次リーグのノルウェー戦が行われた上海では、ひそかな期待をしていた。

 浦東国際空港―上海市郊外の約30キロをわずか8分足らずで結ぶ、夢の超高速リニアモーターカー。04年2月にA3杯取材で訪れて以来の「再会」だった。発車前に磁力でふわりと車体が浮く独特の感覚。一瞬で後方に消える車窓の風景。「時速458キロ」のモニター表示をバックに記念写真を撮ったのを思い出した。

 でも今回は取り巻く状況が一変していた。普通席の料金は50元(750円)。半分の値段で腹いっぱい食事ができる中国では高額で、開業間もない当時は新幹線のグリーン席を思わせる広々とした車内はガラガラだった。だが、この日は家族連れやビジネスマンでほぼ満席。かつて各車両の入り口で出迎えてくれた美女の姿もない。庶民の足としてすっかり定着していた。

 成長著しい中国経済の影響があるのだろうか。調べてみると、今年2月に上海労働保障局と市統計局が発表した市民の平均月収は2892元(約4万3000円)で、前年比17・4%アップ。18年連続で上昇しているという。大都市の生活水準の向上を、数分間の乗車時間で体感したのかもしれない、と思った。

 天津、秦皇島、瀋陽、そして上海。いずれも街中は高層ビルの建設ラッシュで活気に満ちていた。地方を巡る弾丸取材を終え、いよいよ北京に入った。首都の熱気を肌で感じたい。【山下健二郎】




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