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コラム


金量産の原点!?13億人競争社会

2008年8月23日

 地下鉄に乗った時のことだ。中国語に続いて英語で「次は○○」と駅名が告げられた。ここまでは日本でもなじみがあるが、直後に「降車準備をしてください」と流れた。座席に座っていた乗客が一斉に立ち上がり、出口付近に集結する。駅に到着してドアが開くと、雪崩のように飛び出していった。「そんなに焦らなくても」。そう思った私が甘かった。すぐに雪崩のように乗り込んできた乗客の波にのまれ、目的駅で降りることができなかった。

 日本では「降りる人が先」というルールがある。中国にもあるのかもしれないが、徹底はされていない。人のことよりもまず自分。そうでなければ人口13億人の国を生き抜いてはいけないのかもしれない。ものを購入しようと列をつくっていても、すきあらば横入りしてくる。車の運転も乱暴で、日本の教習所で習う「譲り合いの精神」は、ビックリするほどない。

 中国人記者の行動を見ていて一番驚くのが、取材よりも先に選手とのツーショット写真を撮りにいく姿勢だ。中国代表が勢ぞろいした選手村の開村式でのこと。バスケットボールの姚明、陸上の劉翔ら人気選手が登場するたびに、われ先にと寄り添い、強引にツーショット写真に納まっていた。自慢げにコレクションを見せられたこともあった。

 かわいい女性にツーショット写真を依頼している中国人男性の姿もよく見かけた。しかもちゃっかり、肩を抱き寄せたりして。女性も慣れた様子で応じていた。「こういうのありなんだ」とちょっとまねしたくなった。共産圏とされる中国だが、実情は世界一の競争社会。金メダル量産の原点が、少し分かった気がした。【高田文太】




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