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コラム


中国人の心もとらえた上野熱投

2008年8月25日

 北京五輪が24日、閉幕した。運良く、日本人の金メダルを7個も目撃した。柔道男子66キロ級内柴正人、同100キロ超級石井慧、女子63キロ級谷本歩実、同70キロ級上野雅恵、レスリング女子55キロ級吉田沙保里、同63キロ級伊調馨、そしてソフトボール代表だ。

 正直、今大会を通じて中国人の観客は日本人、または日本チームの対戦相手に大声援を送るケースが目立った。日本にば声を浴びせるわけではないが、あまりに露骨なことも多かったため「スポーツに国境はないとはよく言うけど…」と苦笑いしたこともあった。

 だが、やはり「スポーツには国境はなかった」。21日のソフトボール決勝。前日の21回、318球の熱投を知ってか知らずか、上野由岐子の投球に中国人観客から歓声が上がった。試合後、選手出入り口には上野のサインを欲しがるボランティアが連なっていた。

 「3連投させてもらった」。周囲からの信頼を最も大事に考える上野は「させてもらった」というコメントで、自分にチームの命運を託してくれた斎藤監督に感謝した。信頼に応えるための熱投は、日本びいきではない中国人観客の心もとらえたのだろう。

 開会式から数えること17日。果たしてスポーツのすばらしさ、選手のドラマを伝え切れただろうか―。そんな風に思っていた時、五輪組織委員会から報道陣へ、ねぎらいの意味を込めた銅メダルが贈られた。「銅メダルか…」。なんとなく、今大会の自分自身への評価に思えてきた。【菅家大輔】




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