長塚LZRでタイム向上、本番も「着る」

- 連続メダル獲得を目指す長塚智広と由紀夫人、長男輪太郎くん
自転車でも最速水着で金メダルを狙う。チームスプリントで2大会連続メダル獲得を目指す長塚智広(29=競輪選手会)が30日、都内で行われた壮行会で本番での英スピード社レーザーレーサー(LZR)着用を明言。筋肉を締め付ける感覚が走りにマッチし、すでに練習ではタイムもアップしている。「世界最速スプリンター」が、意外な武器を身につけて3度目の五輪に乗り込む。
長塚の口から、衝撃的な言葉が飛び出した。「レーザーレーサーいいですね。速いんですよ」。27日まで1カ月のフランス・ボルドー合宿では、競技用スーツの下に着用して走った。トラック1周250メートルのタイムが、アテネ五輪銀メダル時の18秒0秒から17秒8に進化。「もちろん、本番でも着るつもり」と話した。
競泳界に革命を起こしたLZRは、プールを出ても強かった。「体を締め付けることで筋肉の力が出やすくなる」と長塚は言う。目をつけたのは五輪出場が決まった5月。使用を巡る水泳界の騒動が続くのを横目に、入手困難と言われた現物を手に入れた。「着るのに時間がかかって」と笑うが、すぐ効果は表れた。
ひざ上までのハーフパンツ型だが、強烈な締め付けで下半身は1回り小さくなる。上に着る競技用スーツも小さくなる。サイクリングウエアメーカーのパールイズミ社が提供するスーツは、各選手のサイズや好みを取り入れた特注品。同社企画部の加瀬部長は「長塚選手は、締め付けのきついものが希望でした。他の選手に比べて、特別にきつくなっています」という。
昨年97キロまであった体重を83キロまで落とした。スリムになった体を極限まで強く、細く包み込むのがLZR。「体表面積が小さくなるといっても、水泳ほどは関係ない。でも、小さな感じはいいですね」と長塚は言う。チームスプリント第1走者は、静止状態からのスタート。少しでも早くトップスピードに乗るためには、なるべく軽量で抵抗が少ない方がいい。そのための最終兵器がLZRだ。
伏見俊昭、井上昌己と組んだアテネ五輪は、銀メダル。しかし、4年間で世界は急成長した。アテネの1回戦で出した日本記録44秒081はその時点の世界最高だったが、北京のメダル争いには43秒台半ばが必要だ。さらに、今回は渡辺一成、永井史と5歳下の若手を引っ張る立場。「簡単じゃない。でも、やるからには金を狙う。できることは何でもやります」。LZRの力を得て、長塚は2大会連続のメダルに挑む。【荻島弘一】
[2008年7月31日8時57分 紙面から]
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