体操ニッポンが連覇ピンチ!/体操

- つり輪で演技する冨田(撮影・田崎高広)
<北京五輪:体操>◇9日◇男子予選
体操ニッポンが予選で中国に完敗した。チーム最年長の鹿島丈博(28=セントラルスポーツ)が得意のあん馬でまさかの落下などミスが目立ち、合計369・550点で2位。ライバルの首位中国に5点以上の大差をつけられた。予選の得点は持ち越されないため、日本は12日の団体決勝に連覇の望みを託す。個人総合決勝へはエース冨田洋之(27)と最年少の内村航平(19)が駒を進めた。
誰もが目を疑った。あん馬で03年種目別世界王者の鹿島がまさかの落下。E難度の大技「メリーゴーラウンド」の直前、右手がポメル(取っ手部分)をつかみ損ねて力なく両足をマットについた。「何も言い訳できない。申し訳ない」。種目別決勝の進出も逃したスペシャリストは、右手を見つめてため息をついた。
日本の合計点は369・550。ロシアや米国など「3位グループ」には差をつけたが、374・675点の中国とは大差がついた。苦手のあん馬とつり輪でつけられた5点近いビハインドが、そのまま点差になった。具志堅監督は「力は中国の方が上と認めざるを得ない。(団体決勝では)米国やロシアに負けないようにしないと。この大会が終わったら(選手強化は)もう1回、振り出しですね」と厳しい言葉を並べた。
完全アウェーのムードにのみ込まれた。会場を埋めた2万人近い大観衆のほとんどが中国人。ブーイングこそなかったが、つり輪で不当に低い点数を出された冨田は「やりにくい雰囲気はあった」と漏らした。
状況は厳しいが、あきらめるわけにはいかない。内村と坂本の大学生コンビが個人総合4、5位につけるなど気を吐いた。いつも通り昼食抜きで臨んだ19歳内村は「全然緊張しなかったっス」と笑顔。選手村では代表6人全員が同じゲームソフトで遊ぶなど“一丸”となっているという。
予選の得点は持ち越されず、真の勝負はゼロから始まる。前回アテネ五輪では団体決勝で中国がミスを連発。得点方式が6-5-4制から6-3-3制に変わり、失敗の許されない状況となる今大会こそ日本の「美しい体操」が生きる。鹿島は「ミスが出ないようにするのが前提。何点差が開いても気にすることはない」と視線を上げた。連覇への道は、まだ閉ざされてはいない。【太田尚樹】
[2008年8月10日9時11分 紙面から]
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