腰痛考慮し寝技3発 最後は内また
2008年8月13日
円熟味を増した谷本の完ぺきな金メダルでした。迫ってくる相手の足を外しての内またで、見事に1本を奪いました。谷本に連勝中のデコスが、自信を持って攻め立ててくる一瞬のすきを逃さなかった。相手の力を利用して倒す柔道の醍醐味(だいごみ)が、凝縮されていました。
準決勝までの3試合を、すべて寝技で1本勝ちしたことにも、谷本の進化を感じました。「女三四郎」と呼ばれていた4年前は、むきになって投げ技での1本を狙っているように見えました。それも勝ち気な彼女の魅力でしたが、同じ戦法で連覇できるほど、世界は甘くはありません。
寝技は地味ですが、いったん決まってしまえば、返される心配もなく、はっきり1本が取れる。体力の消耗も少ない。100近くある柔道の技の中で、歳を重ねていくほど、うまくなるのが寝技なんです。同階級の外国選手に、体格やパワーでは見劣りする日本選手は、谷本の戦いぶりを見習って欲しい。鮮やかな五輪連覇の陰に、日本柔道の復権のカギが隠されていました。(84年ロス五輪60キロ級金メダリスト)




