巨人谷が亮子の銅「僕には金色に見えた」

- 銅メダルを手に笑顔の谷(撮影・蔦林史峰)
<北京五輪:柔道>◇9日◇女子48キロ級
金色の銅メダル-。谷亮子の夫で巨人谷佳知外野手(35)が、5大会連続メダルを獲得した妻をねぎらった。この日は都内でテレビを見て応援。3連覇こそ逃したが、子育てと競技生活を両立させてつかんだ銅メダルに「僕には金色に輝いて見えた」と話した。育児の苦労を知る出産を担当した高橋秀介医師(72)も「胸を張ってほしい」とエールを送った。
「無念のメダル」ではなかった。テレビで観戦した夫の佳知には、妻の首にかかった銅メダルがキラキラと光って見えた。試合後、球団を通じて発表されたコメントには、この4年間、主婦として、母として走り続けた妻への尊敬と感謝が込められていた。
「まずはお疲れさまでしたと言わせてください。この4年間は本当によく頑張ったと思います。人に言えないつらいこともあったと思うし、何より子育て中心の生活に追われながら、決して弱音をはかずに練習に打ち込む姿に、パワーをもらっていたのは僕だけではないはずです。目標にしていたメダルの色は違ったけれど、僕には金色に輝いてみえます」。
05年12月31日、長男佳亮くんを出産した谷は、妊娠期間を含めて2年近くブランクをつくった。「子育ても柔道も手抜きをしない」と決意して、昨年3月に本格的な練習を再開した。しかし、3時間ごとの授乳で睡眠不足が続き、早めに離乳させようとして乳腺炎にもなった。合宿も愛息を帯同して練習場と宿舎ホテルを往復して授乳した。それでも家族に1度もグチをこぼすことはなかった。
主治医で出産を担当した兵庫・西宮市の高橋産婦人科クリニックの高橋秀介医師も、谷の意志の強さに感心したという。「母乳で育てることに強いこだわりがあった。母乳だと赤ちゃんのために栄養を取らなくちゃならないので太る人が多い。それでもミルクではなく、自然に育てたいと」。夜泣きに起こされて睡眠不足でも決して笑顔を絶やさなかったという。
谷は試合後、去就について「サポートしてくれる皆さんと相談して決めるたい」と話した。しかし、周囲はまだまだママさんアスリートの現役続行を期待している。「YAWARA後援会」の田中将朗会長は「5大会連続メダルはよくやったと思う。個人的には来年の世界選手権もやってほしい」。佳知もコメントの最後に「これからも彼女が選んだ道を全力でサポートしたいと思います」と添えた。
[2008年8月10日9時10分 紙面から]
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