日本柔道復活へ実績優遇せず選考は横一線
全柔連の吉村和郎強化委員長(57)は27日、12年ロンドン五輪へ向けて、現役続行に意欲を見せている女子48キロ級谷亮子(32=トヨタ自動車)、男子60キロ級野村忠宏(33=ミキハウス)らベテランを優遇しない方針を示唆した。都内で行われた男女の強化委員会終了後、「横一線」の状況で代表選考を行う意向を明かした。苦戦が予想される4年後のロンドン五輪でメダルラッシュを実現するため、日本柔道が厳しい姿勢を貫く。
ベテランの特別扱いはしない-。吉村強化委員長は「今後は最終選考会だけ(出て代表になる)というのは通用しない。谷が2年間休んで世界代表ということはなくなる。野村もそう。(選考は)横一線ということ」と、毅然(きぜん)とした表情で言い切った。
谷や野村らベテラン勢は出産・育児や故障などによる長期休養を経て、一発勝負の五輪選考会に臨んだ。谷は優勝した07年世界選手権も北京五輪も選考会で敗れながら、実績を考慮され代表入りした。しかし、今回は銅メダル。男女8個の金メダルを獲得したアテネ五輪から、今回4個と半減したこともあり、ロンドン五輪を見据えて、ベテランにも厳しい姿勢で臨む。
そうしなければならない事情もある。国際柔道連盟(IJF)が実現へ動いているグランプリ(GP)構想の存在だ。テニスのツアーのようにGPに指定された大会に出場し、成績によりポイントを獲得。得点による世界ランクを決め、ランク上位の選手を五輪に出場させるというものだ。これが行われた場合には、GPの数大会に出て自ら得点を稼がなければ、五輪出場の道が閉ざされることになる。
「谷や野村も全柔連が指定した大会に出なければ、『お前は五輪に出られないよ』ということになる」と吉村委員長。もっともGPが実現しない場合でも、同委員長は「特別扱いはしない」と断言。テレビ番組でロンドン五輪を目指すと発言した谷、故障からの復帰を目指す野村は、さらに厳しい戦いを強いられることになる。【菅家大輔】
[2008年8月28日9時51分 紙面から]
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