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日本-NZどれほどの観客が来るのか…

2008年8月06日

 8月4日から、なでしこジャパンが北京五輪1次リーグ第1戦、第2戦を戦う中国・秦皇島に来ている。

 日本からの飛行機が着いたのは北京首都国際空港だった。空港というのは中のつくりにどこもそう大差はない。北京に初めて降り立った僕でも迷うことのないようにできている。ただ昨年、一昨年と利用した上海浦東国際空港との違いがあるとすれば、入国審査の係官の表情だろうか。パスポート提示の際、上海では「見せろ」との言わんばかりの横柄さがあったが、今回の係官は言葉こそ発さなかったものの〈ようこそ北京へ〉の笑顔があった。もっともそれが、北京と上海の空港のポリシーや土地柄の違いなのかどうかはわからない。係員個々の性格によるものなのかもしれなし、オリンピック開催に当たってイメージアップのため当局から係官に指導があったのかもしれない。

 空港から北京市内の地下鉄網への接続には、快速列車の機場(空港)線を使う。日本でいえばエアポートライナーや成田エクスプレスのようなものか。連結する市内の地下鉄駅まで、小1時間で25元(約400円)。運行そのものは何の問題もなかったが、五輪直前に開通したばかりのはずなのに、車内がもう薄汚れていたのはなぜだろう?

 次に地下鉄でバスターミナルへ。機場線と連結する東直門駅の自動乗車券販売機前には、そろいのポロシャツを着た五輪ボランティアの学生が大勢いて、買い方まですべて教えてくれる。販売機はタッチパネル式。液晶画面には最初、市内地下鉄の路線図が出ている。1号線とか2号線とか、自分の降りたい駅がある路線を押す。すると画面に選んだ路線とその全駅が表示されるので、降りたい駅の部分を押せば値段が表示される。そして相当する金額を投入すればプラスチックの乗車カードが出てくるという仕組みだ。改札に入る時はカードをセンサーにかざし、出る時はカードを挿入口に差し込めば回収される。日本の都市部の地下鉄とほぼ同じシステムだが、乗車券を再利用する分、北京の方がエコかも?

 料金は最低で1元(約16円)。僕は市内を東から西へほぼ横断する区間だったので、2元だった。

 さて、電車待ちと言えば行列である。少なくとも、日本ではそういうことになっている。この日の東直門駅は昼時にもかかわらず、オリンピック目当てとおぼしき地方のおのぼりさんなどで駅はごった返していた。驚いたことに北京でも、各乗車場所の前の方にはわずかながら並んでいる人がいる。僕ももちろん、それに連なった。電車が来る。するとああ……やはりそこかしこがカオスになるのだった。列に割り込もうとする、列そのものを無視して自分が先頭だとばかりにルートを切り開いて行く……。並んでいた人達もそれを気にしたり、非難がましい視線を向けるわけでもない。中国政府がいくら数年前からオリンピック向けに「列を作って待ちましょう」キャンペーンを張ったところで、長年染み付いた習慣はそう簡単に改められるものではない。そしてそれは日本と比べていいとか悪いとか判断できるものでもない。習慣は習慣であり、土地の人がそれでよしとしていれば、よそ者があれこれ批判できる筋合いなどないのだ。ただこの点について北京と上海を比較すれば、上海の地下鉄の方がもっと我がちに乗る人が多かったことを言い添えておく。

 市内西部のバスターミナルに着く。実はここ、『地球の歩き方』には「河北省方面向けのバスが出ている」と書かれていただけで、秦皇島行きのバスが出る確証はない。でも秦皇島は河北省にあるからまず間違いないはずだ。念のため、入り口前にいたボランティア(空港でも地下鉄でもバスでも、交通機関の乗り換え地点には必ず五輪ボランティアが待機している!)の若者に「ここから秦皇島行きのバスは出てますか」と訪ねる。すると彼はわざわざ僕を先導し、ターミナルの中まで入ってくれた。しかも荷物まで持ってくれそうになったので、それは悪いからと丁重に断った。「どこからいらっしゃたのですか?」「日本からです」「僕は日本の漫画が大好きで、いっぱいもっています」日本人と中国の学生との、典型的な会話である。

 彼が案内係や売り場の係員に聞いてくれたところ、なんとこの日は秦皇島行きのバスが出ていないという。秦皇島行きバスは、全く正反対の市東部にあるターミナルから出ているとのこと。その名前を書いてもらったら『地球の歩き方』には載ってないところだった。最新版を買ってきたのにな。

 ボランティア君は周りの人からそのターミナルの最寄り駅まで聞き出して僕に教えてくれたが、時間もないのでタクシーを使うことにする。それを知るや、わざわざ彼は運転手に行き先を告げてくれた。中国での五輪プレ大会などを報じた日本のメディアは「中国の大会ボランティアは、数だけは多いが役に立たない」と報じていたが、この一件では彼に本当に助けられた。

 市の西から東へタクシーで逆戻りし、何とか目当てのターミナルへ。北京の北東280キロの距離にある秦皇島までの料金は91元(約1500円)。なぜか途中、国道脇で待っていた客入りの別のバスに乗り換えさせられながらも(この頃にはもう何が起こっても驚かない覚悟ができていたので、ただただ機械的に乗り換えた)、4時間で秦皇島に到着。初日から疲れること……。

sc-nadeshiko-080805-0302.jpg秦皇島オリンピックセンター体育場

 明けて8月5日。6日になでしこジャパンがニュージーランドと戦う、秦皇島オリンピックセンター体育場へ行ってみた。タクシーは会場の手前で止められ、スタジアムの入り口につけることができない。報じられている通り、警察や公安の警備員がいたるところに配置されている。が、意外に表情は固くない。仲間同士で談笑している姿もあるし、彼らにカメラを向けても拒否することはない。が、スタジアムやその内部の様子を撮影していると、時折「撮らないで(と言っていたのだと思う)」とソフトな口調で注意してくる者もいる。しかし撮っていいものと悪いものの線引きは、けっこう個人の裁量と意欲にゆだねられているようだ。

 例えばある場所でスタジアムの敷地内にぐるりと設置されたらせん状の有刺鉄線を撮影していたら、やんわり注意された。警備上外部に漏れたら困るものだから無理もないと思ってあえて抗議もしなかったが、もう一度別の場所で同じ有刺鉄線を撮った時は、警備員がそれを見ているにもかかわらず何も言ってこなかった。かと思えばセキュリティーに何の影響もないスタジアム入り口の大きな看板を撮った時、「やめてください」と声をかけてきたり。どうもその基準がよくわからない。

sc-nadeshiko-080805-0301.jpgスタジアムの敷地内にぐるりと設置されたらせん状の有刺鉄線

 あ、それからチケットについて。北京での発売時の騒動や入手の困難さが話題になってきたが、ここ秦皇島でのサッカー競技に関してはまだ余裕があるようだ。発売窓口では当たり前のように前売り券を発売していた。ダフ屋の姿もなし。この調子なら6日のなでしこの試合でも、当日券が売り出されるだろう。

 だいたい女子サッカー競技がグループリーグの段階から、開催国の試合以外で客席が満員になることなどありえないのだ。それなのに観戦希望者が日本で正規ルートを使ってなでしこ戦チケットを手に入れようとしても、そのほとんどが抽選に外れるなどして買えなかったというこの不思議……。

 やはり北京五輪組織委員会が、海外へのチケット分配の読みを完全に誤っていたのではないだろうか。

 6日の日本‐ニュージーランド戦、試合内容はもちろんだが、スタジアムがどれほど埋まるかについても注目してみたいと思う。

河崎三行コラム『五輪の花へ!なでしこジャパン』

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河崎 三行(かわさき・さんぎょう)

 1965年(昭40)8月13日、高松市生まれ。港湾労働者、建設作業員、スポーツ新聞社勤務等を経てフリーランスライターに。時に自動車産業、ミシュランガイド東京版、チェ・ゲバラ、環境問題などについての記事を執筆することもあるが、主な取材対象はサッカーをはじめとするスポーツ。近年は日本の女子サッカーとオーストラリアのサッカーを継続的に追いかけている。著書に『チュックダン!』(双葉社)。




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