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米国戦に勝つために雨は困る

2008年8月09日

 ニュージーランド戦でのなでしこジャパン各選手のプレーについて、個人的な寸評を記しておきたい。
GK
福元:キックが不安定。芝への適応急務。
DF
近賀:マーク相手から目を離し失点招く。
岩清水:敵FWのスピードにそつなく対応。
矢野:ハイボールの競り合いに課題あり。
柳田:再三の突破許す。パスミスも多数。
MF
安藤:鋭いドリブル突破で右サイド制圧。
沢:芝の適応に苦慮。同点弾はさすが。
阪口:体張った守備。もっと攻撃参加を。
宮間:低く速いクロスを多用すべきでは。
FW
大野:キレてはいたが、決定機外しすぎ。
永里:シュート意識が希薄。怖さがない。
荒川:途中出場の割にはおとなしすぎた。
丸山:意欲的に仕掛け、同点弾呼び込む。

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 さて8月8日の秦皇島である。なんだか空模様が怪しい。うす曇りで、明日雨でも降りそうな気配がないでもない。
 6日の試合後に、ピッチの芝の深さは両チームに対して同条件なのだから試合の中で素早く適応しなければならない、試合会場のピッチは決して日本の持ち味を殺すものではないと書いた。だが深い芝に加えて雨まで降られたら、これはもうはっきりと、なでしこにとってのハンディキャップになる。もちろん敵にも同条件なのだが、ぬかるんだピッチではどうしても蹴り合い、走り合いの勝負にならざるを得ない。選手個々のパワーとスピードに勝るアメリカの方が優位にゲームを進められるわけだ。

 だから9日、雨に降られては困る。てるてる坊主でも吊るしたい気分だ。
 仮にベストの状態のピッチでアメリカ戦を迎えられたとすれば、これは見ものだ。
 第2戦は日本の決勝トーナメント進出を占う意味でも重要なのだが、それ以上に佐々木ジャパンの試金石となる試合として、僕はとても楽しみにしている。

 佐々木監督となってから、日本は中盤の4人をフラットに並べるようになった。これはピッチの左右を目一杯カバーする、突き詰めて言えば欧米強豪チームの快足サイドアタッカーの侵入を許さないための布陣変更である。トップ下のポジションがなくなった分、センターMFの沢や阪口には上下動の負担がかかるシステムだ。しかもハイボール勝負でも競り勝つことが要求されている。もちろんそれは、二人に与えられた役割をこなせるだけの能力があると踏んでの起用だった。

 身体能力に優れた相手のサイド攻撃を封印しつつ、いかに流動的なパス回しで相手を幻惑するか。ここに佐々木監督は心を砕き、トレーニングメニューを組んできた。その総決算として、9日のアメリカ戦がある。新チームとなってから初となる、ベストメンバーによる欧米強豪チームとの顔合わせだ(五輪本番までに、なぜそのような相手との真剣勝負が組めなかったのかという疑問はあるわけだが……)。

 ニュージーランド戦では守備のベースとなる、DFラインとMFとが連動してのボール奪取が機能しなかった。特にDFの近賀と柳田、そしてMF宮間(セットプレーでは活躍したがパスミスも多かったし、守備時の貢献も彼女の力からすれば及第点ではなかった)にとっては悔いの残る試合だったはずだ。当然チームとしてもその反省を踏まえて修正を加えてくる。本人達も名誉挽回に燃えているに違いない。

 ニュージーランドよりは落ち着いた試合運びをするアメリカ相手だから、DFラインにも池田を戻し、安定したラインコントロールができるようになるだろう。ハイボールに対しても、日本なりの万全の構えを取る形になる。
 では最後に、アメリカ戦の見所を整理してみよう。

1.アメリカのサイドアタックをいかにMFとDFが連動して封じ込めるか。

2.90分の大部分を占めるであろう攻め込まれる時間帯で、どう戦略的に耐え忍ぶか(高い位置でのプレスは望めないだろう)。

3.現在のスウェーデン人監督になってからピッチの左右を広く使うようになったアメリカの選手間を縫って、日本がいかにカウンター攻撃で素早く切り込んで行けるか。

4.後がない相手の荒っぽいプレーにどう対処するか。

 アメリカの女子プロサッカーリーグでプレーしていた経験を持つ沢は、相手に警戒されていて自由なプレーができないはずだ。試合の趨勢は近賀、柳田、阪口、宮間あたりが持ち味を発揮できるかどうかにかかっていると見る。

※写真は同点ゴールを決め喜ぶMF沢(中央)(撮影・浅見桂子)

河崎三行コラム『五輪の花へ!なでしこジャパン』

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河崎 三行(かわさき・さんぎょう)

 1965年(昭40)8月13日、高松市生まれ。港湾労働者、建設作業員、スポーツ新聞社勤務等を経てフリーランスライターに。時に自動車産業、ミシュランガイド東京版、チェ・ゲバラ、環境問題などについての記事を執筆することもあるが、主な取材対象はサッカーをはじめとするスポーツ。近年は日本の女子サッカーとオーストラリアのサッカーを継続的に追いかけている。著書に『チュックダン!』(双葉社)。




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