日本代表の五輪史
2000年シドニー予選
日本、平瀬智行の2発で五輪出場決定
- 1999年11月7日の日刊スポーツ一面

◇1999年11月6日◇シドニー五輪予選 カザフスタン戦◇国立競技場
劇的勝利で日本が五輪切符をつかんだ。さあ、次はシドニーだ。五輪アジア最終予選でカザフスタンを3-1で破り、3連勝で勝ち点「9」としC組1位を確定させた。最終タイ戦(13日)を残して2大会連続6回目の出場。前半を0-1とリードされたが、後半にFW平瀬智行(22=鹿島)の2ゴールで大逆転、終了間際にはMF中村俊輔(21=横浜)がFKを直接決めてダメを押した。劣勢からの大差勝ち、「最強世代」と呼ばれるUー22(22歳以下)日本代表が底力を見せつけた。
五輪出場決定を告げるホイッスルが、鳴った。歓喜の大音響のこだまするスタンドで、平瀬が中村が、史上最強の日本イレブンが抱き合い万歳。髪を振り乱してトルシエ監督が喜びを爆発させた。やった、勝った、2大会連続の五輪だ。苦しい展開だったからこそ強さが際立った。
史上最高の13連勝でつかんだ五輪。だが、前半は硬さもあった。10月17日のタイ戦と違い、キックオフ前から足のストレッチをする選手が目立ったのも、その表れか。まさかの失点で前半は0-1。だが、そこからが底力だ。後半25分、平瀬が中田のセンタリングを頭で決め同点。同41分には再び平瀬が、中村からのスルーパスをゴールに突き刺して勝ち越した。平瀬は「ヒデさんと俊輔のおかげ。どちらも素晴らしいゴールだった」と胸を張った。自分たちのサッカーで勝利、そして五輪を呼び込んだ。
今予選で初めてリードを許す展開にもイレブンは動じなかった。「いつか逆転できる」。落ち着いてボールを回しチャンスを待った。平瀬のヘッドがバーをたたいてゴールインした時、それは確信に変わった。ゲームを支配し続け、さらに2点を加えて快勝した。22歳以下とは思えない、勝ち方を知る大人のチームの戦い方だった。
6月から始まった長い戦いを1度も負けることなく戦い抜いた。1次予選からの連勝は、韓国戦2試合を含めて13。これまでの最高だった8連勝(アトランタ五輪代表)をはるかに上回る国際試合での連勝記録となった。得点率(1試合あたりの得点)は5・45で、銅メダルを獲得したメキシコ五輪代表(5・20)も超えた。
殊勲の2発を決めた平瀬も1次予選からの通算得点を15とし、五輪予選史上、日本の最多得点者となった。鹿島ではレギュラーをつかめず、1年前には留学先のブラジルでボールを追っていた男が、見事にエースストライカーに成長した。柳沢(鹿島)の不振を穴埋めして余りある活躍を見せた。だれかが戦線を離れても、それに代わる選手が生まれるのも、層の厚いこのチームの強さを証明するものだ。
平瀬、中田、中村のほか、負傷中の小野も本大会では復帰する。タレントをそろえた日本は、世界での活躍を予感させる戦いぶりを見せた。【小西弘樹】
[1999年11月7日付紙面から]
- 監督
- フィリップ・トルシエ
- コーチ
- 山本 昌邦/サミア
| 年月日 | スコア | 相手 | 得点者 | 場所 |
|---|---|---|---|---|
| 1999/10/09 | ○2-0 | カザフスタンン | 中田英、稲本 | カザフスタン・アルトマイ |
| ポジション | 選手名 | |||
| GK | 曽ヶ端 準 | |||
| DF | 中沢 佑二 | |||
| 宮本 恒靖 | ||||
| 中田 浩二 | ||||
| MF | 明神 智和 | |||
| 遠藤 保仁 | ||||
| 稲本 潤一 | ||||
| 中村 俊輔 →本山 雅志 | ||||
| 中田 英寿 | ||||
| FW | 高原 直泰 →福田 健二 | |||
| 平瀬 智行 →小島 宏美 | ||||
| 年月日 | スコア | 相手 | 得点者 | 場所 |
|---|---|---|---|---|
| 1999/10/17 | ○3-1 | タイ | 平瀬2、高原 | 東京・国立競技場 |
| ポジション | 選手名 | |||
| GK | 曽ヶ端 準 | |||
| DF | 中沢 佑二 | |||
| 宮本 恒靖 | ||||
| 中田 浩二 | ||||
| MF | 明神 智和 | |||
| 遠藤 保仁 | ||||
| 稲本 潤一 | ||||
| 本山 雅志 →戸田 和幸 | ||||
| 中村 俊輔 →藤本 主税 | ||||
| FW | 福田 健二 →平瀬 智行 | |||
| 高原 直泰 | ||||
| 年月日 | スコア | 相手 | 得点者 | 場所 |
|---|---|---|---|---|
| 1999/11/6 | ○3-1 | カザフスタン | 平瀬2、中村 | 東京・国立競技場 |
| ポジション | 選手名 | |||
| GK | 曽ヶ端 準 | |||
| DF | 中沢 佑二 | |||
| 宮本 恒靖 | ||||
| 中田 浩二 | ||||
| MF | 明神 智和 | |||
| 遠藤 保仁 →酒井 友之 | ||||
| 稲本 潤一 →高原 直泰 | ||||
| 中村 俊輔 | ||||
| 中田 英寿 | ||||
| FW | 福田 健二 →本山 雅志 | |||
| 平瀬 智行 | ||||
| 年月日 | スコア | 相手 | 得点者 | 場所 |
|---|---|---|---|---|
| 1999/11/13 | ○6-0 | タイ | 平瀬2、小島、明神、市川、藤本 | タイ・バンコク |
| ポジション | 選手名 | |||
| GK | 南 雄太 | |||
| DF | 中沢 佑二 | |||
| 宮本 恒靖 | ||||
| 戸田 和幸 | ||||
| MF | 明神 智和 | |||
| 稲本 潤一 | ||||
| 中田 浩二 →市川 大祐 | ||||
| 小島 宏美 →北島 秀朗 | ||||
| 中村 俊輔 | ||||
| 本山 雅志 →藤本 主税 | ||||
| FW | 平瀬 智行 | |||
| No. | 選手名 | 年齢 | 所属 |
|---|---|---|---|
| 2 | 山口 智 | 21 | 市原 |
| 4 | 戸田 和幸 | 21 | 清水 |
| 5 | 宮本 恒靖 | 22 | G大阪 |
| 6 | 稲本 潤一 | 20 | G大阪 |
| 7 | 明神 智和 | 21 | 柏 |
| 10 | 中村 俊輔 | 21 | 横浜FM |
| 11 | 福田 健二 | 21 | 名古屋 |
| 12 | 遠藤 保仁 | 19 | 京都 |
| 13 | 酒井 友之 | 20 | 市原 |
| 16 | 中田 浩二 | 20 | 鹿島 |
| 17 | 平瀬 智行 | 22 | 鹿島 |
| 18 | 曽ヶ端 準 | 20 | 鹿島 |
| 20 | 南 雄太 | 20 | 柏 |
| 22 | 中澤 佑二 | 21 | V川崎 |
| 24 | 本山 雅志 | 20 | 鹿島 |
| 25 | 市川 大祐 | 19 | 清水 |
| 27 | 小笠原 満男 | 20 | 鹿島 |
| 28 | 中田 英寿 | 22 | ペルージャ |
| 29 | 小島 宏美 | 21 | G大阪 |
| 30 | 高原 直泰 | 20 | 磐田 |
※年齢、所属は当時
- 【各ポジションの意味】
-
- GK=ゴールキーパー
- FB=フルバック
- HB=ハーフバック
- FW=フォワード
- RB=ライトバック
- LB=レフトバック
- RH=ライトハーフバック
- CH=センターハーフバック
- LH=レフトハーフバック
- OR=アウトサイドライト
- IR=インサイドライト
- CF=センターフォワード
- IL=インサイドレフト
- OL=アウトサイドレフト
- DF=ディフェンダー
- MF=ミッドフィルダー
