清水本田拓プロ初弾、五輪アピール/J1

- 本田(右)は照れ笑いを浮かべながら母千枝子さんにカーネーションを渡す
<J1:清水1-0鹿島>◇第12節◇11日◇日本平
清水の新人MF本田拓也(23)が鹿島戦でプロ初ゴールを決め、チームを1-0の勝利に導いた。U-23(23歳以下)日本代表の反町康治監督(44)が視察する前で、ボランチながら積極的に攻撃参加。北京五輪への生き残りレースの中、猛アピールだ。清水にとって鹿島は、03年7月以来リーグ9戦白星なしの苦手の相手。難敵撃破の主役となった本田は、勝負強さも印象づけた。
本田に迷いはなかった。前半24分。相手CKをキャッチしたGK西部を起点に清水が速攻を開始。ボランチの本田は駆け上がり、こぼれ球に「打っちゃおう」と左足を振り抜いた。これがプロ初ゴールとなり、拳を突き上げた。「たまたまです」と照れたが、チームにとっては、03年以来約5年間リーグ戦で未勝利だった「苦手鹿島」を下す一撃になった。
北京五輪に向けても、大きな一発になった。3月27日アンゴラ戦のメンバーに選出されながら、直前のナビスコ杯東京V戦で右臀部(でんぶ)を負傷。合宿中に離脱した。「招集があるなら全部行きたい。いつ外れるか分からないから」と唇をかみしめた。本番への生き残り戦は、現在の国内メンバーに欧州組やオーバーエージも加わり、し烈だ。勝ち抜くためには、Jで結果を残すしかない。
だからこそ、攻撃意識を高めた。激しい守備が特長だが、シュートを積極的に打ち始めた。その姿勢が、御前試合でのプロ初得点につながった。視察した反町監督は「本田は良かったね。2年前から呼んでいるし、よく分かっている。チーム(清水)では(攻撃を)求められていないかもしれないけど」と喜んだ。
スタンドで熱視線を送ったもう1人が、母千枝子さん(51)だ。10日に本田はメールで「頑張るから」とゴールのプレゼントを約束した。小5から母の日に贈っていた花束に、初めてゴールを添えた。チームカラーであるオレンジの上着を着て「うれしい」と笑顔の母を前に「これでいいのかな」とはにかんだ。
15日には、トゥーロン国際大会のメンバーが発表される予定だ。「トゥーロンに呼ばれないと本大会は見えてこない。発表前に点を取れて、勝って、アピールになった」。厳しいサバイバルは続くが、本田は「何が何でも行きたい」と熱望する北京行きの切符をあきらめない。【浜本卓也】
[2008年5月12日8時55分 紙面から]

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