李弾で五輪前哨戦勝利/トゥーロン国際

- 後半20分、競り合いながらゴールを決めるFW李(撮影・PNP)
<U23トゥーロン国際:日本1-0オランダ>◇20日(日本時間21日)◇1次リーグ◇A組◇フランス・トゥーロン
【トゥーロン(フランス)20日(日本時間21日)=山下健二郎、松本愛香】反町ジャパンが「北京五輪前哨戦」を制した。U-23(23歳以下)日本代表が、8月の五輪で対戦するオランダを1-0で下し、白星スタートを切った。序盤からボールを支配すると、後半20分にGKからのロングパスを受けたFW李忠成(22=柏)が決勝ゴール。体格で上回る相手をDF陣が体を張った守備で食い止め、完封勝利した。同代表は22日(日本時間23日)の第2戦で、地元フランスと対戦する。
視界の隅に、新たなライバルの姿をとらえていた。後半20分。李は途中出場に備えてピッチ脇に立つFW森本に気付いた。「ヤツが出場する前に決めないと、ヤバイ」と疲れた体にムチ打った。GK西川からのロングキックに全力疾走。「トラップの瞬間を狙え」。相手DFがはじいた球をかっさらい、左足の外側でシュート。ゴールポストを巻くように右隅に突き刺し、両拳を力強く握った。
メンバー選考を兼ねた五輪開幕前最後の国際大会。本番で対戦するオランダが相手とあっては、なおさら結果が求められた。年齢制限のないオーバーエージ(OA)の選考も進む中、「恥ずかしいことに、FWは最後まで競争せざるを得ない」という反町監督の厳しい視線を感じていた。昨年2月に日本国籍を取得してまで、五輪にかける意地がある。「OAや他のFWが来ようが、オレには関係ないようにしたい」との思いが凝縮した一撃だった。
今大会のオランダは主力不在で、平均年齢20・36歳のいわば「2軍」。選手たちは「本番を考えれば、満足できない」と口をそろえた。ただ、17、18日にJリーグ戦を消化し、計14時間もの長距離移動を伴った過密日程での一戦。オランダのスピードと体格差を生かして前線の3トップで切り崩す特徴を踏まえ、守備陣は疲労に顔をゆがめながら抑えきった。DF伊野波は「この状況でしっかり勝ち切れたのは、五輪への大きな自信になる」と手応えを語った。
05年ワールドユース選手権(現U-20W杯)初戦でオランダには、1-2のスコア以上に完敗しており、その雪辱でもあった。22日には強豪フランスが相手。反町監督は「北京を見据える上で、大きな強化試合。我々はDFの守り、球際の強さ、当たり負けしない。それが見えてきた」と語気を強めた。40年ぶりの五輪メダルへ、大きな収穫を得た一戦だった。
[2008年5月22日8時56分 紙面から]
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