大久保OA枠断念、反町監督お手上げ

- リーグ大分戦で神戸選手へのイエローカードに対し主審に抗議する大久保
男子サッカーの北京五輪日本代表・反町康治監督(44)が、年齢制限外のオーバーエージ(OA)枠での代表入りが内定していた神戸FW大久保嘉人(26)の招集を断念した。日本協会は6月30日、千葉県内で行う代表候補合宿(7月7~9日)メンバー20人を発表。OA枠での招集はG大阪MF遠藤だけだった。大久保供出を拒否していたクラブ側との調整が最後まで付かず「時間切れ」で断念した。反町ジャパンは攻撃力への不安を抱えたまま、本番に臨むことになった。
もう、腹をくくるしかなかった。課題の得点力アップの切り札と考えていた、大久保の招集断念。この日、自宅で静養した反町監督は「今回のメンバーは、公式戦やケガ人を考慮し、現段階で北京五輪を見据えたベストメンバーを招集した。実りある合宿にしたい」と広報を通じてコメントしただけで、無念さを胸の内に押しとどめた。
大久保は04年アテネ五輪を経験し、日本代表のW杯予選でも主力を担うストライカー。反町監督は1次リーグでの米国、ナイジェリア、オランダの強豪3カ国との対戦を見据え、OAでの補強を決めていた。先月中旬には、同杯予選の行われたタイに単身乗り込み、「五輪に出場したい」という本人の意思を確認。遠藤と大久保以外のOA候補者には所属クラブに文書で断りを入れ、退路を断ってまでこだわっていた。
だが、リーグ下位に低迷する神戸側は、大久保の供出を拒否。メンバー発表前日の6月29日には、交渉の窓口である日本協会の小野技術委員長とともに、反町監督自ら神戸の安達貞至社長に直談判したが、翻意させられなかった。同日午後9時まで水面下で交渉を続けたが、神戸側の姿勢は変わらずに決裂していた。
7日から3日間の合宿は、MF遠藤を加えた「五輪仕様」の戦術強化を図る一方、14日発表の最終メンバー生き残りをかけた選考の場。激しいサバイバルの最中に、いつまでも大久保に固執すれば、他の選手たちの士気にも悪影響を及ぼしかねない。反町監督は、常々口にしていた「OAはあくまで23歳以下のチームの枝葉。誰もが北京に行きたいと思っている中で、新しく来た選手との間に温度差があってはならない」という大原則に立ち返り、大久保の招集を断念した。
国際サッカー連盟(FIFA)に提出する五輪代表メンバーの最終登録は7月23日。神戸側との交渉期間の猶予はあるが、小野技術委員長は「OA枠は1つ(遠藤)で行く。(反町監督は)それで頑張る、ということだった」と断言した。優勝候補アルゼンチンやブラジルなど世界の強豪国が、0A3枠のフル活用を検討しているなか、日本は「1」。反町監督が思い描いていた最強布陣を敷けないまま、五輪代表は北京の地へ赴かねばならなくなった。
[2008年7月1日9時23分 紙面から]
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